【だめひろい】価格転嫁と賃上げを 組織の力で新3K実現へ

▼業界団体からの声が届き、設計労務単価はダンピング工事分が排除され、12年連続で引上げられた。今国会で成立した「第三次担い手3法」では、建専連など業界団体からの要望を受け、画期的な改正が行われた。今回の法改正では中央建設業審議会が労務費の基準となる「標準労務費」を作成し勧告する。これをもとに適正な労務費等の確保と技能労働者への行き渡りを図る。著しく低い労務費等による見積りや見積り依頼を禁止し、違反発注者には国土交通大臣などが勧告、違反者名を公表する。

▼懸念される「資材高騰に伴う労務費へのしわ寄せ防止」については、請負額に影響を及ぼすリスク情報を、受注者から注文者に提供するよう義務化し、資材が高騰した際の請負代金などの「変更方法」を契約書に記載する。受注者が「変更方法」に従って契約変更協議を申し出た時は、注文者は誠実に協議に応じる努力義務を負うことになる。


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▼「働き方改革と生産性向上」に関しては長時間労働の抑制のため、著しく短い工期による契約(工期ダンピング)を受注者にも禁止する。また、ICTを活用した生産性の向上を図り▽現場技術者に係る専任義務を合理化(遠隔通信の活用など)▽国が現場管理の指針を作成し、特定建設業者や公共工事受注者に効率的な現場管理を努力義務化▽公共工事発注者への施工体制台帳の提出義務を合理化―などの施策を実施する。

▼価格転嫁と公的な賃上げを後押しするため、国はこうした法案を公共工事だけでなく、民間工事にも適用する方針だ。建設業が新3K(給料が良い、休暇が取れる、希望がもてる)に生まれ変わるには、まず労務費の確保、他の業種以上の賃上げが必要だ。それには業界の結束力が問われている。(合田)

日本塗装時報第2094号(2024年6月18日)掲載記事


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