日塗工総会 会長に毛利訓士氏 「時代の変化をチャンスに」
- 2025/5/22
- 団体・組合

日本塗料工業会の第40回定時総会は5月20日午後、東京・ホテルニューオータニで開催され、2024年度決算・監査報告、2025年度事業計画・同予算、役員選任の件(新理事34人、監事3人)を可決承認した。
総会を一旦休憩して開かれた理事会では、互選により会長に毛利訓士(もうり・くにし)氏(関西ペイント社長)、副会長に小坂伊知郎(こさか・いちろう)氏(神東塗料社長)、戸次強(べっき・つよし)氏(カシュ―社長)、専務理事に児島輿志夫氏(事務局)、常務理事に田桐澤根氏(同)、金地隆志氏(同)が選任された。
引き続き懇親会を開催。あいさつに立った毛利新会長は、まず業界を取り巻く環境について「長期化しているロシア・ウクライナ情勢をはじめとする様々な国際的な紛争に加え、アメリカ トランプ大統領による新たな政策が国際社会に及ぼす影響は、為替、原材料価格等の先行きを、益々不透明なものとしている。国内でも、物流業界が抱える課題の影響、エネルギー・環境問題への取り組み、労働安全・化学物質管理に関する規制強化への対応等、事業継続の根幹にも大きく影響を及ぼすような課題が山積している。国際的にも、国内的にも先行き不透明で、非常に難しい状況になってきた。しかし、将来が決まっていないということは、ビジネスにとっては新たな挑戦への機会ともいえる。特に、ものづくりを行っている私共の業界にとっては、エネルギー・環境問題への対応や、化学物質の規制強化も既成概念からの脱却に背中を押して貰っていると受け止めることができると思う。過去からの慣習を整理し、良いものは伸ばし、時代の変化に対応しなくなったものは変えていくことによって新たな可能性とチャンスに結び付けていくことができる」と指摘。
今後、日塗工としては▽国内外の化学物質管理に関する速やかな情報の共有と対応を進める▽セミナー、展示会等の充実を図り、新たな情報の吸収、異分野への情報発信の機会増大、多様な企業との接点の拡大につなげていく▽環境配慮型塗料等機能を付加した塗料の普及・需要の開拓に努力する▽会員企業の安全環境問題への対応による従業員の安全対策を推進する▽国際機関との連携強化による情報収集と国際協調の推進に努めていく―との方針を表明した。
来賓の浦田秀行経済産業省製造産業局大臣官房審議官のあいさつに続き、小坂副会長の発声で乾杯、盛会のうちに戸次副会長の中締めで終了した。