東塗協・日塗装東京支部が危険物講習会
東京都塗装工業協同組合
「塗料と消防法」をテーマに講演
東京都塗装工業協同組合(会津健理事長)と日本塗装工業会東京支部(小川善一郎支部長)は2月20日、東京都渋谷区の塗装会館で「東京消防庁危険物講習会」を開催した。同講演会に参加した事業者には、参加優良事業所証が発行される。
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冒頭、東塗協の橋本泰宏安全環境委員長は「皆さまは日頃より、危険物の取り扱いや保管に十分心掛けておられるかと思う。われわれが使用している塗料は可燃性・引火性の高い物質が多く、危険物を多量に使用することもある。塗装事業者として危険性を理解し、取り扱い管理をしなければならない。今回の講演会を通じて塗料の危険性を再確認し、各事業所の安全意識の向上に役立ててほしい」とあいさつ。
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講演会では、東京消防庁予防部危険物課貯蔵取扱規制係の柏原研一係長が「塗料と消防法」と題して講演した。また参加者に新型コロナウイルス感染症に関するパンフレットを配布し、感染予防を呼び掛けた。
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講演の要旨は次の通り。
ガソリン購入時の 本人確認が義務化
「消防法」は、危険物に関する法律であり、その下に危険物の規制に関わる政令「消防法施行令」(危政令)、建物に関わる規則を定めた「消防法施行規則」(危省令)、各市町村による「火災予防条例」がある。消防法では火事を起こしやすい物質を危険物と定めている。
最近起きた危険物の火災に京都アニメーションの火災がある。出火原因はガソリンによる放火で、鎮火するのにほぼ1日かかった。社会への影響が大きな火災であったことから、令和2年2月1日からガソリンの容器詰め替え販売時に、購入者・使用目的の確認と、販売記録を作成することが義務化された。建設現場の発電機でガソリンを使用する場合も対象となる。
容易に手に入る塗料等(塗料・シンナー・プライマー・トップコート)も危険物に該当する。最近はネット通販でも塗料等を扱っており、製品説明だけでなく製品の危険性や法令規制について示した安全データシート(SDS)を掲載している場合も多い。
消防法令では、危険物危険性を考慮した指定数量を定めており、倍数が大きいほど規制が厳しくなっている。許可を得ずに1倍以上の塗料等を貯蔵すると、命令や懲役刑、罰金刑などが科される。一時的に貯蔵する場合も仮貯蔵・仮取り扱いの申請が必要となる。
塗料を扱う事業者で消火器を購入する場合は、石油類その他の油類などが燃える油火災(B火災)への能力単位が大きい高性能消火器を購入すると良い。高性能消火器はリン酸アンモニウムの含有率を90%以上に高めたもので、短時間で完全に油火災を消す能力がある。
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日本塗装時報第2035号掲載記事