「チーム力で課題を解決」日本ペイントホールディングス・田中正明会長兼社長
日本ペイントホールディングス
本日、総勢97名が我々のグループに入社してくれました。 今年の入社式は新型コロナウィルス感染症拡大の影響により、異例の事態となり、新入社員の皆さんには、私からのメッセージをお届けすることに致しました。
皆さんにはチームワークを大切にして欲しいと願っています。会社の一員になるということは、「一人でできないことを、チームの一員になって成し遂げることが出来る」ということです。そして、そのチームワークに支えられたチームが力を発揮して欲しいと思います。私はこの考え方を「パワー・オブ・チームワーク」と呼んでいます。
当社はこの10年で売上は3倍以上、株価は15倍近く成長するなど、飛躍的な成長を遂げています。現在、29の国と地域で事業を展開していますが、中国やマレーシア、シンガポールで塗料製造販売のトップ企業であることをはじめ、買収を実施したオーストラリアやトルコでもナンバーワンのシェアを誇るなど、世界各地で大きなプレゼンスを確立しています。そして、世界全体では2万5000人以上の仲間がいます。皆さんには、こうしたグローバルな広がりを持つ職場環境の中で、輝いてほしいと願っています。
そのためには、英語か中国語を学んでください。言葉が通じるということは、海外の仲間とのコミュニケーションに役立つだけでなく、皆さんの人生が広がります。
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これからの日本ペイントホールディングスグループは、世界中のパートナー企業の間で自由闊達にシナジーを発揮する「蜘蛛の巣型経営」を目指しています。国内外のグループ各社が縦横無尽に蜘蛛の巣のようにつながりあい、有機的に協力しながら、共通の事業機会を見つけ、お互いの良いところを学んで、一緒に成長していく、日本や本社がすべての中心ではないという事です。
NIPSEA、DuluxGroupなどパートナー各社間の連携を深めていくことが私たちの「事業力」、「技術力」、「チーム力」の更なる向上につながると確信しています。
会社における仕事は信頼関係がベースとなって成り立っています。私は、座右の銘を聞かれた時には、「遵義」という言葉を言うことにしています。これは「義に遵ずる」、即ち「正しい道に従う」と言うことです。最近の言葉で言うと「コンプライアンス」と言うことになるのでしょうが、それよりも広い概念である信用・信頼ということの大切さをよく噛み締めて、社会人としての第一歩を踏み出して頂きたいと思います。
これから、皆さんは、それぞれの所属部門に分かれて実務に携わって頂きます。「実務」というのは研究や勉学と異なり、社会に認められる「結果」を問われる生業です。皆さんの第一歩は、小さな一歩から始まるでしょう。私の場合は、銀行でしたので、その第一歩は、毎日お札を数えることでした。その後、銀行の窓口係もやりました。しかし、振り返ってみると、そうした「経験」の積み重ねが「実務能力」をつけるために必要だったことが理解できます。
そうした毎日に必要なことは、毎日の仕事を積み重ねるとともに、問題意識を持って、そして夢を持って、自らの課題を定めて「学ぶ」姿勢を失わないことです。私の場合は、「世界を駆けるビジネスマンになりたい」との夢がありました。そのおかげで、外国語の勉強も、海外の金融制度の勉強も苦にならなかったのです。皆さんも、「実務家」としての夢を持ちましょう。自ら働きかけ、積極的に学びを深めて下さい。そして、実務家としての自身のキャリアを自らつくりあげていってください。
今後、人口の爆発的増加が予想され、温暖化などの社会課題が満載する「世界」では我々が有する塗料技術や表面処理技術が必ずや必要とされます。抗菌塗料技術が感染症対策に役立つ日が来るかもしれません。その中で、世界の、特にアジア地域にて既に圧倒的なポジションを有する我が社のひとりひとりが、社会課題の解決に向けて積極果敢にチャレンジし、パワー・オブ・チームワークを発揮すれば、当社グループは確実にもっと輝くことができます。
皆さんの日々のチャレンジが会社としての大きなジャンプに繋がります。日本ペイントホールディングスグループの将来を作るのは、今日この会社に参加された皆さんです。
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日本塗装時報第2036号掲載記事