日塗装 青森で総会・全国大会開く 「希望あふれる塗装業」の実現へ

 日本塗装工業会(加藤憲利会長)の第66回定時総会は5月22日午後、青森市・リンクステーションホール青森に390人が出席して開かれた。

 冒頭、あいさつに立った加藤会長は、昨年改正された第三次担い手3法に基づき、官民が連携して処遇改善に取り組むほか、外国人材や女性の就労支援などを通じて、担い手対策を進める考えを強調した。

 続いて、昨年度のペインテナンスキャンペーンの施工実績上位を表彰。1位郡山塗装(福島県)、2位五日市塗装工業(岩手県)、3位尾﨑塗装工業(高知県)など実績上位10社、および施工件数比率上位10支部に表彰状と報奨金を贈呈した。

 本年度の安全スローガン「『危ないぞ』かける言葉に思いやり みんなで気付こうゼロ災職場」(山口県・福田塗装店、檜垣康彦氏)の表彰のあと、第8回リフォームアワードの入賞者を表彰した。

 新入会員を紹介したあと、来賓の宮沢正知国土交通省大臣官房審議官が祝辞を述べた。

 報告事項では令和6年度事業報告、令和7年度年度事業計画・予算を報告。審議事項では令和6年度決算書を承認した。

 本年度の事業計画では、昨年度に引き続き6重点施策を推進する。全体事業計画では、「基本方策対応特別委員会」で、第三次担い手3法に基づき、技能者への適正な労務費(賃金原資)の確保・行き渡りのため、「労務費の基準」作成とその実効性確保に向け、国交省や中建審WGと検討を進める。

 「外国人材受入委員会」は、外国人材の採用手続きの支援方法を検討し、その実現に向けた取り組みを進める。さらに、建設技能人材機構(JAC)の支援事業を活用した教育支援などを検討する。

 「全国建築塗装技能競技大会運営委員会」は、9月11・12日札幌市で開催する第28回大会について、基本的には前回大会の運用で、北海道ブロック、技能委員会、運営委員会が密に連携し、開始を目指す。

 各委員会の事業計画・具体的事業では、新しく「事業成果の発信(WEB上、会誌等での情報発信」(技術委員会)、「外国人材受入委員会との連携」(経営委員会)、「「インターネットを活用した情報発信の企画やPRツールの作成」「女性活躍推進に関する情報提供やセミナーの企画・実施」(普及委員会)などを推進する。

 総会終了後は、ホテル一青森に会場を移し、多数の来賓、同伴者が出席して第49回全国大会を盛大に開催した。

 なお、来年度の総会・全国大会は千葉県支部が担当し、2026年5月21・22日、千葉県浦安市のグランドニッコー東京ベイ舞浜で開催される。

加藤会長のあいさつ

総会であいさつする加藤会長

 加藤会長のあいさつ要旨は次の通り。

 先ほど、皆様と合唱した会歌は昭和53年、創立30周年の記念事業として制定された。当時の会員の皆様の盛り上がりが目に浮かぶような歌詞だが、2箇所、心に引っかかるところがある。

 一つは「今日も元気で若人が塗装で明るい街づくり」というくだりである。いま現場では若い人の姿が徐々に減ってきている。昨年、第三次担い手3法が改正されたが、ぜひこれが大手だけでなく、中小、地場ゼネコンまでしっかり行き渡り、適正な賃金、適正な休日が職人に広く行き渡るよう、今後も各方面に訴えていきたい。

 二つ目は「世界の仲間と手をつなぎ、欠かせぬ塗装で国造り」という、極めてスケールの大きい稀有壮大な歌詞である。昨年ぐらいから本部役員、経営委員会が中心となり、インドネシア、ベトナム等の海外就労の育成教育の施設に行き、塗装のPRを懸命にやっている。

 現地から外国に行きたい方に、日本で、そして塗装の業を選んでいただきたいという強い思いである。

 そして、今はしばらく中断しているが、東南アジアとのパイプを生かしながら、海外研修も今後可能になるかもしれない。ぜひ皆様からご意見等をいただければと思う。

 いずれにしても、官民挙げて処遇改善を定着させ、他産業と厳しい争奪戦になっている青年男子を求めながらも、一方では外国人材、そして女性の就労支援等を通じて、聖域なく担い手対策を講じていくことが不可欠である。

 そして、我々10ブロック、47支部、2300人の会員の力を合わせながら、ジェンダーや国籍を超えて、希望あふれる塗装工事業として、一人でも多くの方がこの塗装の世界に飛び込んでいただけるよう今後も努めていく所存である。

 この総会のあと、記者会見を予定しており、皆様方のエリアでも、様々なメディアを含めてどんどん情報発信をお願いできればと思っている。

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