建専連研修会 技能実習制度の現状報告

建専連研修会 技能実習制度の現状報告

技能実習生の行方不明者 建設業が人数・発生率ともトップ

建設産業専門団体近畿地区連合会

 

 建設産業専門団体近畿地区連合会(山本正憲会長)は2月28日、大阪市中央区・エルおおさかで令和5年度建設専門業の経営革新支援研修会を開催した=写真。その中で、建設分野における技能実習制度の現状が報告された。令和4年度の技能実習生の行方不明者は合計9006人で、うち建設分野は4717人(全体の52%)と突出して多い。行方不明者の発生率は全分野平均が2・6%だが、建設分野は6・7%と高い。行方不明になる原因としては、技能実習生自身の経済的な事情(賃金が低い)ほか、職場の人間関係の問題(日本語能力の不足)などが考えられている。


開会にあたり山岡丈人副会長は「建設業界の現状は従前からの課題である生産年齢の高齢化と少子化に伴う次世代を担う人材確保の難しさ、さらに2024年問題と言われる働き方改革に伴う時間外労働の規制強化など、円満な工事施工を進めるにあたっては労働力確保がより一層困難となる状況が差し迫っている。このような様々な問題の解決に向けて中央建設業審議会及び社会資本整備審議会を基に設置された基本問題小委員会で9月中間取りまとめが示された。この中で適切な労務費の確保や賃金の行きわたりなど大きな方向性が打ち出され、今後これに沿った政策を国土交通省様が推進されることが見込まれる」とあいさつ。

 講演に移り、征矢道仁近畿地方整備局建政部建設産業第一課長が「最近の建設業行政」について▽公共事業関係▽働き方改革等の推進▽処遇改善(賃上げ)に向けた取組▽適正な請負代金▽中央建設業審議会基本問題小委員会での審議▽生産性の向上―など。岡慎高大阪労働局職業安定部雇用保険課雇用助成第2係長が「建設業が使える助成金」のテーマで▽建設労働をめぐる情勢について▽建設業の人材確保・育成に向けて▽主な支援施策の概要▽人材確保等支援助成金▽働き方改革推進支援助成金▽トライアル雇用助成金▽人材開発支援助成金▽助成金活用の留意点―などを説明した。

日本塗装時報第2091号(2024年3月18日)掲載記事


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