建設投資見通し 2024年度2・8%増 建築補修は8・8%増と堅調

建設投資見通し 2024年度2・8%増 建築補修は8・8%増と堅調

建設経済研究所/経済調査会

 建設経済研究所と経済調査会が先月まとめた「建設経済モデルによる建設投資の見通し」によると、2024年度は74兆3500億円(同2・8%増)と微増となる見込み。2024年度の政府投資は前年度比2・8%増、民間住宅投資は同1・6%増、非住宅投資は同1・2%増と予想する。また、2024年度の建築補修(改装・改修)投資は、同8・8%増と堅調に推移する見通し。


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政府投資は1・5%増

 2024年度の政府建設投資は、前年度比1・5%増の23兆6400億円と予測する。 国の直轄・補助事業は前年度並みの規模である約6兆円の公共事業関係費が確保されている。また、2023年度補正予算において、「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」をはじめとした公共事業関係費が確保されており、2024年度の出来高として実現されると想定する。

 地方単独事業費は、総務省がまとめた「令和6年度地方財政対策の概要」で示された内容を踏まえ、維持補修費、投資的経費とも前年度並み。国・地方ともに前年度と同水準の予算規模が確保されていることから、公共事業に係る投資の底堅い推移が想定され、名目値・実質値ベースともに前年度比で微増と予測する。

住宅着工 底堅いマンション需要

 2024年度の住宅着工戸数は、前年度比0・7%増の81・0万戸と予測する。建設コストの上昇が住宅需要を抑制する状況が依然として継続し、着工戸数の大幅な回復は見込めず、前年度と同水準に留まる見通し。

 2024年度の民間住宅投資額は、前年度比1・6%増の17兆3200億円と予測する。2024年度の持家着工戸数は、前年度比0・3%減の22・1万戸を見込む。2024年度の貸家着工戸数は、前年度比1・9%減の34・1万戸と予測する。足元の着工戸数は堅調に推移しているが、前年度までの好調の反動で着工戸数は微減する。

 2024年度の分譲住宅着工戸数は、前年度比3・9%増の24・6万戸と予測する。マンションは大都市圏で底堅い需要が続く一方で価格の高騰から郊外に移る動きもみられ、前年度比で増加と予測する。戸建は、住宅メーカーが持家から分譲の販売強化へシフトしていることが下支えし、前年度比で増加する見通し。


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民間非住宅 24年度は微増

 2024年度の民間非住宅建設投資は、前年度比1・2%増の19兆130億円と予測する。 着工床面積は前年度比で微増と予測するが、これは前年度からの反動であり、2016年度以降では最低水準となる。投資額は名目値では微増、実質値ベースでは前年度と同水準と予測する。

 事務所は、国内景気回復の継続を前提にオフィス需要は緩やかな増加が予想されることや2025年には東京都内でオフィスが大量供給されることが見込まれていることを踏まえ、2024年度の着工床面積は前年度比で増加と予測する。

 店舗は、2023年度の大幅な減少の反動から2024年度の着工床面積は前年度比で増加と予測する。工場は、2024年度は製造業の設備投資計画は持ち直しの動きがみられる。半導体関連工場やEV関連工場の誘致政策の効果もあり、着工床面積は前年度比で増加する見込み。倉庫・流通施設は、運送業の時間外労働の上限規制適用等を背景に、倉庫スペースの拡張や物流網の増強といった需要に支えられ着工床面積は高水準で推移しているものの前年度と同水準と予測する。

建築リフォーム 省エネ対策で堅調

 2024年度の建築補修(改装・改修)投資は、前年度比8・8%増の14兆2600億円と予測する。 政府建築補修(改装・改修)投資は、今後も省エネルギー対策等により投資は堅調に推移すると見込まれるため、2024年度も、名目値・実質値ベースともに増加基調が続く見通し。

 民間建築補修(改装・改修)は、住宅分野では政府の省エネキャンペーンによる補助金政策等が寄与し、また非住宅分野においても省エネルギー対策や働きやすいオフィス環境等への関心の高まりにより、今後も投資は堅調に推移すると見込まれる。

日本塗装時報第2093号(2024年5月18日)掲載記事


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