製販装3団体 塗料塗装・最新動向セミナー開く 各分野でコロナ禍が影響
日本塗料工業会/日本塗料商業組合/日本塗装工業会
製販装3団体の共催による「2021年度塗料塗装・最新動向セミナー」が8月24日、ウェブ配信方式で開かれた。今回は上岡晃日本塗料工業会専務理事が「日本と世界の塗料需要動向」、渋谷和伸日本塗料商業組合専務理事が「塗料販売業の現況と今後の市場展開について」、村木克彦日本塗装工業会専務理事が「建築塗装の現状と今後の取組み」と題して講演した。
日塗工 21年度需要予測は微増 20年度実績はマイナスに
2020年度は新型コロナウイルス感染症拡大の影響を大きく受け、出荷数量156万トン(前年比7・8%減)、出荷金額6223億円(同7・9%減)と大幅なマイナス成長となった。
21年度の塗料需要予測は全体では前年度比100・6%と微増。需要別の予測は建築101・1%、船舶・構造物92・4%、自動車新車・自補修106・7%、路面106・3%と回復。巣ごもり需要で前年好調だった家庭用は反動により92・7%となる見込み。
日塗商 85%が感染症対策実施 ウェブ会議の導入進む
新型コロナ感染症対策では約85%にあたる505社が「職場に消毒液やマスクを設置」したと回答。他に「各種補助金・助成金・給付金の利用」(234社)、「国内外の出張の中止・延期」(208社)と答えた社店が多かった。IT活用では「ウェブ会議システムの導入」に取り組んだ企業が161社あった一方で、「テレワーク」は72社、「ウェブを用いた営業活動」は56社に留まった。
感染症対策商材の販売については半数にあたる302社でマスクを販売。他に業務用エタノール(246社)、アルコール消毒液(243社)、抗菌・抗ウイルス塗料(234社)、接触感染防止用シート・テープ(181社)を扱った社店が多かった。
日塗装 20年度完工高は4%増 CCUS登録は2割弱
日塗装における令和2年度の完工高は8931億円で対前年比4・4%(380億円)増加。9月時点の統計のためコロナ禍の影響はほとんど受けていない。このうち改修が7458億円、新築は1473億円。改修の比率が昨年より1ポイント増えて84%となった。
令和2年度の日塗装の塗装技能者数は1万5779人。うち29歳以下は19%、55歳以上は25%で、建設業全体と比べると高齢化の度合いは小さい。さらに29歳以下が前年から1%増加するなど明るい兆しも感じられる。外国人技能実習生は832人で前年度と比べて230人増えた。建設キャリアアップシステム(CCUS)の登録者数は全体の19%にあたる3001人に留まっている。
日本塗装時報第2056号掲載記事