塗料メーカートップの入社式訓示 日本ペイントホールディングス・若⽉雄一郎取締役代表執行役共同社⻑
- 2025/4/7
- 企業ニュース

当社は1881年、明治時代に創業され、先日144回目の誕生日を迎えました。その原点には、「塗料を通じて社会課題を解決する」という創業者たちの強い想いがあり、当時、塗料の国産化が進んでいない状況下で、未知の分野に挑戦し、日本中に新しい価値を提供しようとした先人達の姿勢は、今もなお私たちの企業文化の中核を成しています。
当社はその創業からの志を受け継ぎ、社会課題を解決したいというお客様のニーズに応えながら、グローバルにも拡大してきました。2015年には60年前から海外の合弁事業を共に進めてきたアジア事業NIPSEAを連結化し、その後も積極的なM&Aで、強力なブランドや優秀な経営陣を擁するパートナー会社を日本ペイントグループに迎えており、昨年の売上収益約1.6兆円の一大企業グループへと成⻑してきました。
2015年までは約2500億円、そして2020年でも7000億円弱であったことを考えれば、日本発の製造業としては驚異的な成⻑力と言えます。
よく日本の事業は人口減少や高齢化社会だから成⻑しない、という言い方をする人がいます。実際日本セグメントは海外と比較して成⻑においてやや苦戦しているかもしれません。ただ私はそうした考え方には全く同意していません。私たちには世界中のパートナー会社という仲間がいます。そうしたグローバルの力を結集すれば、成⻑しないと言われる日本においてもマーケットシェアを拡大したり新市場を開拓するなど、ものすごい潜在力があるのです。先人が切り開いてきた144年をさらに200年、300年と伸ばしていくためにも、皆さんの若い力が益々重要になってきます。未来志向で、そして開かれたマインドで是非これからの職業人生に臨んでいただきたいと思います。
さて、今日から新たな一歩を踏み出す皆さんに、私から3つ、お伝えしたいメッセージがあります。それは、これから皆さんが当社グループで活躍し続けるための「目指す人材像」についてです。
まず1つ目は、「果敢に挑戦」することです。私たちの仕事は、時代と共に変化し、進化することを求められます。従来のやり方や考え方にとらわれず、固定概念を打ち破りながら、新しい課題に勇気を持って挑むことが非常に重要です。
2つ目は、「失敗から学ぶ」ことです。挑戦する中で、失敗することを恐れる必要はありません。むしろ、失敗から学び、その経験を次の成功につなげていく姿勢こそが、成⻑の鍵となります。大丈夫です。新人のうちから会社に致命的な損害を与えるようなポジションにはつけません。一方新人のうちしか失敗できないわけではありません。何年経っても、そして社⻑になっても失敗はあり、そこから学べばよいのです。
3つ目は、「自らの意見を発信する」ことです。私たちが目指しているのは、部門や職種、そして年次や役職の垣根を越えた「脱サイロ型」の組織です。これは、個々の社員が自由に意見を交わし、互いの知識や経験を融合させることで、新しい発想を生み出す組織のことを指します。そのためには、皆さん一人ひとりの視点や考えが必要不可欠です。どのような立場であっても、たとえ新人であっても、主体的に意見を発し、議論を深めることで、会社全体の成⻑に貢献できると信じています。
この3つの目指す人材像を体現していくことで、皆さん自身が成⻑し、会社の成⻑につながるのです。
会社というのは恐ろしいところで、最初は胸ふくらませ、希望に満ちて入社しても、色々と難しい現実に向き合うと、次第に慣れが生じて、「まあこれでいっか」と、なりがちです。一方で私は、会社も個人も成⻑を止めたら終わりだと思っています。貪欲に成⻑を求め続けてください。変化を求め続けてください。正しいと思うことを求め続けてください。無駄な仕事はしないようにしてください。一人ひとりが常にそういう思いを持ち続けてくれれば、会社も個人も必ず成⻑できます。
本日から始まる皆さんの日本ペイントグループでの日々が健やかに、にこやかに、充実したものとなりますことを祈念し、皆さんの入社への祝辞といたします。