日塗工色彩セミナー 検定試験の新制度を説明
日本塗料工業会
内装色と光源に関する研究結果も紹介
日本塗料工業会は、10月25日エル・おおさか、11月8日東京塗料会館で、2019年度色彩セミナーを開催した。今回は、来年6月に試験内容の変更を予定している東京商工会議所カラーコーディネーター検定試験について説明があったほか、内装色と光源に関する研究内容、自動車の新色開発・カラートレンドなど、色彩に関する最新動向を紹介した。
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東京会場では、中村英朗専務理事のあいさつに続き、東京商工会議所検定事業部検定センターの山口健所長および慶応義塾大学の鈴木恒男名誉教授が「東京商工会議所カラーコーディネーター検定試験が変わります」と題し、検定試験の新制度について説明した。
カラーコーディネーター検定試験は1995年に開始。受検者数57万人、合格者数25万人に達した。しかし近年、IT技術の急進やグローバル化の進展など、開始当初と比べて環境が大きく変化。単にカラーの知識を有する人材だけでなく、その知識を活用・提案できる人材の育成が求められていることから、今回検定内容を変更する運びとなった。具体的には、従来1級~3級の3段階だった試験を、色彩の基礎知識を問う「スタンダード」と、環境色彩や建築デザインにおける色彩計画など、色彩を用いた実務能力を高めるための「アドバンス」の2種類に変更。新公式テキストでは図や写真を増やし、色の活用事例を多く掲載した。さらに2級・3級の認定講師制度を2024年1月に廃止し、新たな認定講師制度を創設する予定。
次に千葉大学大学院工学研究院の宗方淳教授が「オフィスや住宅における内装色と光源の良い関係」をテーマに講演。光色と内装色の組み合わせが知覚に及ぼす効果や好まれる組み合わせについて説明した。一般的に光源色と壁色が同系統の場合は光色が濃くなるため不快感を抱かせる。一方、異系統の場合は互いの色が混じり合うことで白色に近づくため、気にならなくなる(知覚率が低下する)。色味については、オフィスの場合は暖色系・電球色系はあまり好まれず、光色が寒色・白色系がベターであるとし、色の濃さ(彩度)は濃すぎない方が良いとした。
他にトヨタ自動車クルマ開発センターカラーマネジメント室の金丸克司主査が「クルマのもっといい色づくり」と題して、車の「性格」と色の相性について解説した。[/ignore]
日本塗装時報第2031号掲載記事