塗料産業フォーラム「化学物質管理と新たな付加価値創造を」
日本塗料工業会
車メーカーが塗料業界に期待
日本塗料工業会(毛利訓士会長)は昨年12月13日東京・東京塗料会館、20日大阪・エルおおさかで、「第28回塗料産業フォーラム」を開催した。
[ignore]東京会場で毛利会長は「日塗工では2019年の塗料需要予測を、前年度比で101%としたが、消費増税直前の需要変化や自然災害による消費動向の推移など、注目すべき点が多い年となった。今後の経済指標からは堅調さがうかがえる一方で、米中貿易摩擦や為替相場の動きなどの懸念もあり、それらの動向についても引き続き注視する必要がある。本日は日塗工が近年実施している安全対策活動について紹介する。また、毒物劇物取締法については、本年度から始めた取り組みについて説明する。参加者の皆様には、今後の塗料・塗装の発展につながる材料として、当フォーラムをご活用いただきたい」とあいさつ。
次に[/ignore]日塗工の安達順之安全環境部長が「塗料業界における労災の傾向と対策」について [ignore] 講演した。塗料業界の労災件数は近年 [/ignore] 、 [ignore] 年間110件程度で推移している。2014~18年の労災報告によると、「製造」「技術」職種が全体の8割を占めており、事故の内容は「はさまれ・巻き込まれ」(21%)、「切れ・こすれ」(19%)、「有機物との接触」(17%)の順に多かった。さらに「墜落・転落」は重大な災害(休業災害)につながる傾向が見られた。
日塗工では『労働災害防止対策マニュアル』(2015年)をはじめとした各種安全対策書籍を発行し、企業各社でも安全教育を行っているが労災件数はいまだに減っていない。そこで日塗工では、19年3月からホームページ上で安全教育資料を公開。現在「はさまれ・巻き込まれ」「切れ・こすれ」事故の事例と対策を掲載している。なお、全事例の掲載は21年3月を予定している。
次に [/ignore] 須貝英生常務理事が「毒物劇物取締法の最近の状況と日塗工の対応」について説明した。 [ignore] 日塗工では、「毒物劇物取締法」の運用に関する業界の要望の提示や、除外申請に関わる各種手続き・調整、有害性情報調査、候補物質および毒物劇物調査会審議結果の一覧の作成(ホームページ上で公開)などを行っている。
川崎重工業車両カンパニー生産技術部生産技術二課の山名広道氏は「鉄道車両の塗装の現状と未来について」講演。車体外板は近年塗装の比率が下がり、ステンレスの上にカラーフィルムを貼るケースが増えているが、新幹線や特急車を始め意匠性の要求の高い車両では塗装車がなくなることはないと説明した。
トヨタ自動車の石井正彦氏は▽化学物質管理のための含有物質情報収集システム「IMDS―JSC」▽将来モビリティと塗料開発への期待▽循環型社会構築に向けた化学物質リスクと材料開発▽塗料業界へのお願い―について講演。商品力向上のための「意匠開発」として、新規顔料・塗装工程開発による意匠表現の拡大、および新たな付加価値を創造する「高機能化」、電動化・軽量化・知能化・情報化などFutureMobilityに向けた塗料開発を求めた。
次に本田技研工業の飯山淳氏(大阪会場は日産自動車・服部直樹氏)が同様なテーマで講演した。[/ignore]
日本塗装時報第2033号掲載記事