
日本ペイントは2月3日、塗膜の抗菌効果をリアルタイムで可視化する評価系を開発した、と発表した。
同社の宮前治広研究員らの研究グループと、東京大学大学院工学系研究科の中村乃理子助教、太田誠一准教授らとの共同研究により、緑色蛍光タンパク質を発現する大腸菌と蛍光観察装置を用いることで、数センチメートル四方の塗膜上で細菌が増殖する様子を連続的に観察することに成功した。
従来、抗菌塗膜の性能評価にはISO規格が用いられてきた。この手法は塗膜上で増殖した菌を培地で洗い出してから寒天培地上で再度培養して評価するため、空間的な菌の分布やリアルタイムの情報を得ることは不可能だった。
共同研究グループは、緑色蛍光タンパク質を発現する大腸菌を使用し、LED光源、光学フィルター、デジタルカメラを組み合わせた蛍光観察装置で画像を取得することにより、塗膜上で増殖した細菌の空間分布をリアルタイムで可視化することに成功したもの。研究成果は1月31日、英国科学誌「Scientific Reports」のオンライン版に掲載された。 今後、さまざまな抗菌塗膜の効果をより正確に評価し普及を促進することによる、感染症予防への貢献が期待されている。
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