建専連全国大会 担い手確保をテーマに

建専連全国大会 魅力ある建設産業に向けて

(一社)建設産業専門団体連合会

建専連全国大会11月13日・ニッショーホール
11月13日・ニッショーホール

官民挙げた取り組みを推進

 (一社)建設産業専門団体連合会(建専連、才賀清二郎会長)の令和元年度全国大会が11月13日、東京・ニッショーホールで開かれた。今回は「魅力ある建設産業に向けて~担い手確保のため専門工事業をどう変えていくか~」をテーマに講演会を実施。基調講演では(一財)建設業振興基金・佐々木基理事長が「建設産業の未来をどう考えるか~建設専門工事業の明るい未来を目指して~」と題し、さまざまなデータや事例の中に垣間見える建設業の明るい未来について語った。また特別講演では「人は嬉しくて、会いたい人が居るところに集まる」をテーマに、亜細亜大学国際関係学部・大久保俊輝特任教授が、教育現場や職場で人材教育を行う際に求められる自己肯定感の育て方について語った。

建専連全国大会
(左)才賀清二郎会長(右上)赤羽一嘉国土交通大臣(右下)(一財)建設業振興基金・佐々木基理事長

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 冒頭、才賀会長は「近年、甚大な被害をもたらす自然災害が年々拡大している中、国民が安心して暮らすことができる社会基盤の整備は、国が取り組むべき最優先事項の一つとなっている。しかし、その担い手である建設業では、工事の中心を担う技能労働者が減少。建設業界は若者が安心して入職するような魅力ある産業からはほど遠く、多くの課題を抱えている。課題解決に向けては、働き方改革によりさまざまな施策を実施しており、技能労働者への適正な評価についても国・民間の専門工事事業者を挙げた取り組みが大きく動き出している。

 今大会では、担い手確保のために専門事業者をどう変えていくかについて基調講演・特別講演を企画した。今、われわれ建設事業者に課せられている使命は、若者に率先して入ってもらえる魅力ある建設産業にすることである。

 そのためには技能労働者の直用から月給制までの取り組みの推進、技能や経験に見合った給与の引き上げ、建設キャリアアップシステムへの加入促進などに一丸となって取り組む必要がある。建設産業として災害の復旧・復興はもちろんのこと、国民の生活や社会経済を支えるために不可欠な産業であり続けるためにも、産官学の関係者のご協力をお願いしたい」とあいさつ。

 来賓の赤羽一嘉国土交通大臣は「建設産業専門団体連合会の皆さまが、33の専門工事団体を束ねて代表する団体として、建設業の担い手確保や育成に多大なご尽力をいただいていることに感謝と敬意を表する。国土交通省では労働環境の改善や働き方改革、生産性向上に取り組み、建設業が給与が良く、休暇が取れ、希望が持てる、いわゆる『新3K』と呼ばれる魅力的な産業になれるよう、取り組みをさらに加速させていく所存である」と述べ、国土交通政策への協力を求めた。

 続いて、稲津久厚生労働副大臣、(一社)日本建設業連合会・山内隆司会長、(一社)全国建設業協会・近藤晴貞会長が来賓あいさつを述べた。 基調講演では、建設業振興基金の佐々木理事長が建設産業の現状について説明。建設産業を取り巻く環境は今後さらに厳しくなるとされているが、そのような状況の中でも「未来の希望」となるようなデータや事例をピックアップして解説した。特別講演では、建設大学校中央訓練所を修了後、小学校の教員となり、現在新任校長の育成などに従事する大久保特任教授が、不登校の児童などを対象に毎年実施している富士山登山の体験学習を紹介。人材を育成する際には本気で相手を叱り、共に考え、自己肯定感を育むことが重要だと語った。

「出前講座や現場見学会が効果」
振興基金・佐々木理事長

 佐々木理事長の講演要 旨は次の通り。
     ◇
 第一生命が毎年実施している「大人になったらなりたいもの」のアンケート調査では、毎年男の子がなりたい職業の上位に「大工」が入っている。その願望を将来にわたって持ち続けられるような環境を整えることが必要だ。

 建設業就業者は現在、55歳以上が約35%、29歳以下が約11%と高齢化が進行する一方で、実数ベースでは平成29年度と30年度の比較で、29歳以下の就業者数が約1万人増加した。ものづくりに関する産業は全体的に苦戦しているが、最も苦しかった時期を脱しつつあるようにも感じられる。

 2018年に建設経済研究所が発表した建設市場(予測)によると、2030年度までに建設市場は最大12・8%・約6兆円縮小。種類別では住宅・店舗は減少、事務所・倉庫は増大、工場・公共投資は横ばいになることが予想されている。その一方で、外国人人口の増加、災害対策・災害復旧対策、マンションの高品質化、事務所の高機能化、ホテル着工数の増加、エネルギー関連施設の増加などにより、市場が拡大する可能性もある。

 国土交通政策研究所が平成28年に実施した、工業高校の3年生を対象とした「建設業に対するイメージ」についてのアンケート結果では、出前講座や現場見学会などで建設業に触れたことがある人と触れたことがない人とで意見が分かれていることが判明。いわゆる「旧3K」のイメージでもある「肉体労働・汚れ作業等が多い」「危険作業が多い」などの数値が、建設業に触れたことがある人の方が約10ポイント低く、逆に「地域社会や人の役に立つ」「建設物が後世に残る」といった肯定的なイメージが12~ 16ポイント高かった。「出前講座などをやっても効果がない」と感じることがあったとしても、確実に建設業へのイメージに良い変化を与えている。

 「旧3K」については、女性の入職増加に伴って改善されつつある。たとえば、「キツイ」を改善する「電動ファン付作業服」「パワーアシストスーツ」、「キタナイ」を改善する「快適トイレ」、カラフルな作業服(ユニフォーム)の導入、「キケン」を防止するフルハーネス安全帯の義務化なども進んでいる。女性が働きやすい環境は男性にとっても働きやすい環境であり、若い子たちにも受けが良い。

 現場の週休の実施状況については「おおむね4週8休」が昨年から2・1ポイント上昇し、11・3%となった。月給制・週休2日制を採用する企業については、人が継続的に入社する傾向にある。 [/ignore]

日本塗装時報第2050号掲載記事

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