MKS記者懇談会 完成工事高2.1ポイント増
- 2019/12/18
- 団体・組合
MKSの改修実績が2735億円に
マンション計画修繕施工協会(MKS)
坂倉会長「働き方改革は発注側の理解を」
マンション計画修繕施工協会(MKS、坂倉徹会長・会員153社)は11月12日、東京都内で記者懇談会を開き、2019年度の主な事業内容について報告した。2018年度の会員のマンション改修完成工事高は2735億円で前年度比2・1ポイント増加した。保証実績は完成保証が約160億円、瑕疵保険が約250億円でいずれも過去最高になった。
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冒頭、坂倉会長は業界を取り巻く経営環境について「令和に入り、われわれの仕事環境は大きく変化している。その一つが政府主導による働き方改革によるもので、若い労働力をいかに呼び込むかが大きな課題となっている。また、景気の変動により新築工事の減少が予想される一方で、ストックされた建物の大規模修繕が計画的に行われるようになった。このことからわれわれの仕事は、ある一定量は確保されていると言え、これをきちんとした形でこなしていく体制づくりが今後重要となるだろう」と説明。
マンション改修業界での働き方改革については「労働環境の改善のため、週休2日制が推進されているが、大規模改修工事の場合は対象がマンションであるため、居住者・管理組合の人たちの休日に合わせて、土日に打ち合わせや工事、業者の決定などをせざるを得ない。また、土曜日に作業員が出なければ生産性が上がらないため、土日に休むことが困難となっている。こうした問題を解決するためにも、発注側と常に相談できる体制が必要だ」と述べ、土日休工を実現するには発注者の理解が不可欠であることを強調した。
これに関連し、「設計コンサルからは、現在10項目ある完成後の瑕疵(かし)点検は過剰サービスではないかとの声もある。もしこれを減らせれば価格にも反映でき、休日の確保にも結び付く。新築でマンションを販売しているデベロッパーは、販売後から1~2年後に瑕疵点検を行うが、問題がなければその後の検査は省略していると聞く。われわれも過剰サービスとなっている点検内容については見直す必要があるだろう」と述べ、現在の点検内容などを見直すよう訴えた。
さらに今年発生した台風被害にも触れ「自然災害への対策については、これまで行ってきた地震への対策だけでなく、台風への対策が求められるようになった。大規模修繕の際に防災の観点からさまざまな提案が行えるよう体制を整えていきたい」とし、水害を含めた防災対策への取り組みが必要であることを強調した。
続いて報告に入り、平成30年度の会員企業のマンション改修完成工事高が2735億円に達したことを発表した。これは矢野経済研究所の国内市場予測値である6207億の約42%に相当。前年度比では約2・1ポイント増加している。また、マンション改修元請完成工事高については1811億円で、同予想値の約29・2%を占めた。 [/ignore]
日本塗装時報第2051号掲載予定