グッド・ペインティング・カラー 7作品の色彩設計者を表彰
日本塗装工業会/日本塗料工業会/ 日本塗料商業組合
製・販・装3団体の共催による環境色彩コンペティション、第22回グッド・ペインティング・カラー(同実行委員会主催)の表彰式は1月8日午前、東京・ホテルニューオータニで行われた。
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主催者を代表して毛利訓士日本塗料工業会会長は「今回は66作品の応募があり、事前審査を経て25作品がノミネートされ、最終的に7作品が受賞した。優れた色彩設計のできるプロフェッショナルの育成を図り、カラーコーディネーター検定試験に向けたセミナー等も開催している。どのような構造にも適用できる塗料・塗装は、色彩発現には欠かせない。色彩提案の成果発表の場となる本イベントの認知度をさらに高めるため、一層努力したい」とあいさつした。
次に[/ignore]清元秀実行委員長が審査経過を報告。入賞した新築・改修・戸建改修の3部門7作品の色彩設計者を表彰した。
赤木重文審査委員長が講評を述べたあと、受賞者を代表して、改修部門優秀賞を受賞した千賀恵美子氏(日本ペイント)が謝辞を述べた。
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「戸建改修に伸びしろ」 赤木委員長の講評
「今年は例年に比べ応募作品が少なかったが、2020年に向けた建設ラッシュと無関係ではないと思われる。新築、改修、内装で最優秀賞がなく、これも異例であった」
「新築は、周辺環境の調査から色彩設計の指針・色彩選定というプロセスを踏んで計画されたものがなかった。特別賞を受賞した『内神田保育園+学童クラブ』もそうだったが、具体的な設計や仕上げへの落とし込みは立地環境への繊細な対応がみられた」
「改修部門は、多くの応募作品が色で資産価値を向上させようという意欲が見られ。丁寧な色彩設計が実施されて、それぞれ特徴的な3件が賞に選ばれた」
「戸建改修は、質の高い物件とそうでないものとの差が大きかった。これは塗装デザインの伸びしろと考え、本コンペを通じて活動の幅を広げていかなければならない」
「色彩で価値を付与」 千賀氏の受賞あいさつ
「今回受賞したパークホームズ船橋ヒルトップテラスは、新築当初は2000年代に流行した住宅色だった。2005年の景観法施行により、流行より景観秩序を配慮した外装色が求められるようになった」
「現状は船橋市が定める基準を超える色彩が含まれていたので、管理組合も改善提案を要望されていた。今の時代の景にふさわしい色彩設計で、新たな魅力、資産価値を付与することを考えた」
「高層による圧迫感を解消するため、淡彩系のアイボリーやベージュを選定した。周囲の建物に色相やトーンを合わせることで背景に融和させている。アクセントカラーはブラウンを使い単調にならないよう華やかにした。改修によって穏やかな街並みに連続性が生まれ、居住者だけでなく、地域の方々にも親しみを持っていただける佇まいになった」
「魅力的な色彩は景観を向上させ、やがて地域のモデルとなっていく。全国的に景観形成への取り組みが進む中、私たちカラープランナーの役割はますます重要になると思われる。塗装仕様から色彩までトータルで提案できる塗料メーカーとしての強みを生かし、今後も良好な景観形成に寄与すべく尽力する所存である」[/ignore]
日本塗装時報第2033号掲載記事