塗料メーカー各社の2024年3月期決算(9)日本ペイントホールディングス
日本ペイントHD1~3月期 純利益302億円
日本ペイントホールディングスの2024年1~3月期連結決算(国際会計基準)は、主力事業である中国の汎用塗料の販売が好調に推移したことや円安の影響などにより、売上収益(売上高)は3843億19百万円(前年同期比16・4%増)と大幅に増加した。利益面では販売数量の増加と製品値上げの浸透で、営業利益426億64百万円(同22・2%増)、税引前利益413億44百万円(同23・6%増)、四半期利益305億32百万円(同20・3%増)、純利益302億80百万円(同19・5%増)。
日本国内の連結売上収益は464億45百万円(同1・2%減)。連結営業利益は37億9百万円(同40・7%増)。自動車用塗料は生産台数が減少したため、前年同期を下回った。工業用塗料は、製品値上げが浸透したが、市況が低調で前年並み。汎用塗料は製品値上げが進んだが、物価高騰に伴う消費控えや低価格製品ニーズの高まりの影響を受け減収になった。
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ニプシーの連結売上収益は2162億50百万円(同21・5%増)、連結営業利益は314億31百万円(同28・0%増)。自動車用塗料はタイで自動車生産台数が前年同期を下回ったが、中国の自動車生産が増加し、セグメント全体では増収。汎用塗料は、中国の既存住宅向け内装需要が引き続き堅調に推移したほか、マレーシア、シンガポール、トルコなどの主要市場でも、販売数量が増加したことや製品値上げの浸透により、前年同期を上回った。
デュラックスグループの連結売上収益は931億20百万円(同13・9%増)。 連結営業利益は71億81百万円(同1・5%減)。汎用塗料は太平洋および欧州で市況が軟化し販売数量が伸び悩んだが、円安の影響により前年同期を上回った。塗料周辺事業は、欧州におけるETICS(断熱材)の販売数量の増加に加え、太平洋における事業買収や昨年7月に買収した欧州塗料周辺製品メーカーの業績が寄与し増収。
米州の連結売上収益は285億3百万円(同21・6%増)、連結営業利益は11億96百万円(同60・6%増)。自動車用塗料は、中核地域であるアメリカで、日系自動車メーカーを中心とした自動車生産台数の回復や製品値上げの浸透が進んだ結果、前年同期を上回った。汎用塗料は米国経済や住宅市場の低迷の影響を受けたが、カリフォルニア州における天候不順の影響が前年同期よりも減少し増収。
通期(2024年1~12月)の予想は、売上高1兆6000億円(前期比10・9%増)。営業利益1840億円(同9・0%増)。税引前利益1740億円(同7・7%増)。純利益1240億円(同4・7%増)。1株年間配当金15円(1円増配)。
日本塗装時報第2093号(2024年5月18日号)掲載記事
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