日ペHD 中国の生産・物流は回復へ 機関投資家向け説明会で
日本ペイントホールディングス
日本ペイントホールディングス(田中正明会長兼社長CEO)は2月21日、東京都千代田区のトラストシティカンファレンス・丸の内で「2020年度機関投資家向け説明会」を行い、証券会社の担当者らに、自社ブランドの紹介や今後の経営方針などを説明した。
この中で、新型コロナウイルスの感染拡大により影響を受けた中国での生産体制について報告。武漢周辺で操業を停止している工場はあるものの、中国国内での生産は6割、物流は3~4割まで回復し、顧客の需要には応えられているとした。その一方で、発表を延期している20年12月期の業績見通しについては、沈静化の目途が立った時点で行うとした。
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ウットラム(Wuthelam)との協業であるアジア合弁事業(NIPSEA=Nippon Paint Southeast Asia)では、3月の株主総会での同意を経て指名委員会等設置会社に転換することを決定。取締役9人のうち6人を独立性社外取締役とし、執行部門が事業の課題に対して迅速に対応できる体制を整える。併せて監督機能の強化・独立性を図り、業務の妥当性などを厳しく評価する。100%子会社化ついては、4月以降の取締役会で可能性の検討を行う。
説明会の冒頭、田中社長は「私は前々職で10年ほどIRを担当した経験があり、金融庁の有識者会議などでもエンゲージメントの重要性を説いて 日本ペイントホールディングス(田中正明会長兼社長CEO)は2月21日、東京都千代田区のトラストシティカンファレンス・丸の内で「2020年度機関投資家向け説明会」を行い、証券会社の担当者らに、自社ブランドの紹介や今後の経営方針などを説明した。
この中で、新型コロナウイルスの感染拡大により影響を受けた中国での生産体制について報告。武漢周辺で操業を停止している工場はあるものの、中国国内での生産は6割、物流は3~4割まで回復し、顧客の需要には応えられているとした。その一方で、発表を延期している20年12月期の業績見通しについては、沈静化の目途が立った時点で行うとした。
ウットラム(Wuthelam)との協業であるアジア合弁事業(NIPSEA=きた。したがって市場との対話が重要であることを重々認識している。1月に社長に就任したところであり、改めて本日を起点として皆さまと積極的な対話をさせていただく」とあいさつ。
続けて、▽会社概要(歴史)▽リーマンショック以降の経営状況▽ウットラムとの協業▽今後の戦略・経営の方向性▽ファイナンシャルハイライト―などについて説明した。
同社の売上はこの10年間で3倍以上、株価は15倍ほど成長。海外M&Aにより、中国(立邦)、オーストラリア(Dulux)、トルコ(BETEK)などの各国塗料市場でシェア1位を維持している。地域別ではアジアが52%、日本が26%を占め、事業別では汎用塗料が54%、自動車用塗料事業が22%となっている。
塗料は日本での成長は見込めないものの、世界では成長産業であるため、同社ではグローバルな展開は必須と考えている。また塗料業界は、▽市場およびキャッシュフローの安定性▽シェア向上の余地▽設備投資負担の軽さ―などの点で強みがあり、今後も建築用塗料の需要が高まると予想している。
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海外の生産拠点のうち、中国工場では先進的なサプライマネジメント(物流システム)が確立されており、オペレーションルームの壁一面に生産状況や輸送状況がリアルタイムに把握できるダッシュボードを設置している。デジタル化・全自動化も進んでおり、基幹工場もわずか20人の従業員ですべてのオペレーションを行っているという。国内生産を抜本見直し SCMのデジタル化推進 今後の戦略としては、国内生産拠点の見直しによる生産性向上、M&Aの実施、グローバルガバナンスの強化を中心とした各施策を推進。日本国内の老朽化した生産設備を刷新し、受注から生産・配達・販売までのサプライチェーンのデジタル化・自動化を図る。
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またグローバルな人材確保や情報収集を目的に今年4月、東京・京橋にグローバル本社を設立。中国工場に倣ってさまざまな情報が表示できるダッシュボードを役員会議室に設置し、迅速な意思決定を図る。
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日本塗装時報第2035号掲載記事