【インタビュー】大阪府塗装工業協同組合 川原貞儀理事長に聞く
大阪府塗装工業協同組合
業界が一致団結し、コロナ禍の克服を
――新型コロナの感染拡大により、業界はどのような影響を受けていますか
去年は4月に一部のゼネコンの工事が止まりました。改修工事もマンションの大規模修繕などは管理組合の総会が開けず、延期になったケースが多かったようです。塗装業界もそうした影響を強く受けました。
一方で、消費者の住宅リフォームへの関心は高まっていると思います。塗料も家庭用塗料だけが大きく伸びています。いわゆる「巣ごもり需要」の影響でしょう。ただ、住宅リフォームへの関心が高まるにつれて、一部のアウトサイダー業者によるトラブルもまた増えてきています。
優良業者が評価される仕組みを
――組合員であることは悪質リフォームとの差別化に役立ちますね
最近、悪質な水道修理業者が問題となり、メディアも取り上げるようになりました。リフォーム業者は広告宣伝に力を入れており、一部の悪質な業者によるトラブルも多く発生しています。実際にそういう業者が行った現場を見て、あまりにいいかげんな仕事で驚いたこともあります。これでは「塗装業者はこういうものだ」と、一般消費者に思われてしまいます。
組合員はしっかりとした仕事もしますし、責任感もあります。しかしアウトサイダーの業者には、自分の仕事に責任を持つという考えはありませんし、技術もありません。
コロナ禍が実習生に影響
――職人の高齢化が進んでおり、若者の確保が無理なら、女性や外国人材の活用も急がれますが
外国人材については、組合と日塗装大阪府支部の広報誌『塗装なにわ』35号でも特集として取り上げました。
大半のベトナム人実習生は真面目に良く働きます。ただ、コロナで本国と行き来ができなくなっていろいろ大変な思いをされているようです。うちに来ている実習生の中にも、飛行機の便がなくなり、帰国が何カ月も延びている人がいます。
また去年の5月に来る予定だった人が、今年に入ってようやく来ることができました。聞くところによると、新型コロナの影響で雇い主の仕事が減り、仕事の実績がほとんどない状態で実技試験を受けなければならないケースも出てきているようです。
日本塗装時報第2048号掲載記事