短時間で塗膜の防錆性を評価 マツダが新サービス事業化へ

持ち運び可能な測定器

 マツダは10月8日、塗装部品の塗膜耐食性を評価する新サービスの事業化に向けた、本格的な検証を実施すると発表した。すでに数社とトライアルを進めており、自動車業界以外への展開を視野に、11月12日から14日まで幕張メッセで開催される第8回塗料・塗装設備展(コーティングジャパン)への出展を予定している。

 今回、開発した塗膜耐食性評価法は、塗膜に人工傷を付け、電解液を流し込んで電気化学的手法で耐食性を数値化するもの。従来数か月かかっていた試験が数分から数十分に短縮できる。これにより、塗料開発や塗料選定にかかる期間を大幅に短縮できるとしている。

 同社では2017年に塗膜の耐食性を短時間かつ定量的に評価する技術を業界で初めて実用化した。持ち運び可能な測定器により、塗装部品の防錆性能をその場で評価できるのが特長。従来の促進耐候性試験に比べ、目視による基準のばらつきがなく、実環境下でも測定できる。そのベースとなる技術は令和5年度科学技術分野の文部科学大臣表彰の科学技術賞(開発部門)を受賞している。

 昨年には新規事業開発室を立ち上げ、事業化に乗り出した。現在、協力企業から提供を受けたサンプルを独自の診断技術で評価し、その結果を報告書として納品する受託型サービスの事業性検証を行っている。来年からは受託型評価サービスとして事業化し、将来的にはクラウドを活用したSaaS型サービスの提供を目指す。

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