加藤会長の総会あいさつ
昨今、私どもに関わる経済情勢を振り返ると、2 年前に現在の役職に就いて以来、この24か月間、実質賃金が連続してマイナスと報道されているように、物価上昇に賃金が追いつかないのが現状である。そのような中、輸出関連の大企業は非常に大きな利益、好業績をあげている。こうした企業は十分な賃上げの余力がある。一方、我々はほとんどのマーケットが国内で、かつ企業規模も中小、零細が多い。円安になると為替メリットどころか、原材料が上がる、諸費用が上がるといった影響が非常に大きい。一体どこから賃上げの材料を持ってきたらいいのか。皆様は経営者として頭の痛いところだと思う。
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そのような中、昨年11月に斉藤国土交通大臣、今年4月末には岸田総理大臣による画期的な国会予算委員会での発言があった。民間工事に対しても労務費を大幅に下げるようなダンピングを禁止する、そして民間発注者からゼネコンを通じ、我々専門工事会社と適正な契約を結び、現場で働く職人さんへ適正な賃金が行き渡るように国が関与し、さらには上がった塗料・資材等々のアップ分をきちんと転嫁できるよう、労務費が棄損しないようにしていく。それを法案として本国会に提出するといった内容であった。蒔苗審議官様は非常にご苦労されていると思うが、どうぞよろしくお願いしたい。
そしてまた、私どもの先人がつくられたブロック制という組織がある。各地方整備局等に対してもそういった組織を活用しながら、現場の実際の声をもっと訴えていく。そういった施策がより実効性のあるものにしていかなければいけない。その先には希望あふれる塗装工事業、魅力あふれる塗装工事業を皆様とともに目指していきたい。
日本塗装時報第2094号(2024年6月18日号)掲載記事
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