日塗工需要予測 今年度の塗料出荷は横ばい 建物向け4・1%増と好調

日塗工需要予測 今年度の塗料出荷は横ばい 建物向け4・1%増と好調

日本塗料工業会

 日本塗料工業会が先月まとめた需要予測によると、2023年度需要実績予想数量は125万5千トンで、2024年度も景気動向および主要メーカーへのアンケート結果から横ばいを見込んでいる。塗料需要が最も多い「建物」はマンション大規模修繕や都市再開発の活性化で伸びが期待されるが、自動車新車が不祥事からの回復に時間を要すると見られ、全般的には前年並み。出荷金額は上昇基調が継続すると予想する。

 需要産業別では「建物」が34万トン(前年度比4・1%増)と最も伸びる見通し。賃上げや株価上昇による経済の好循環、および国内政策による各種助成も進み個人消費も回復するほか、マンション大規模修繕や都市再開発の活性化などが寄与する。


 「建築資材」は6万5千トン(同1・8%減)。国内向け建材需要は回復傾向にあり、都市部を中心とした再開発需要増を期待するが、住宅着工件数の減少は継続する見通しで微減を予想する。「構造物」は8万トン(増減なし)。橋梁やプラント、鉄塔等、回復も期待されるが、市況としては横ばいで鋼材量の予測からも前年並み。

「船舶」は9万7千トン(同6%減)。修繕は堅調で前年並みを見込むが、新造は海外造船所との競争激化や海運市場の落ち着きもあって、全体的には減少する。「道路車両(新車)」は23万8千トン(同1・8%減)。前年度の国内自動車生産台数増が一段落するとともに、検査不正問題も若干影響し、微減を予想する。「同(補修)」は3万2千トン(同1・6%増)。処理台数は前年並みだが、環境配慮型塗料などの投入や大型架装・産業機器分野での拡大により微増する見込み。「電気機械」は3万2千トン(同0・2%増)。半導体や関連産業の好調も期待されるが、原材料価格の高騰の影響が継続する見込みで、全体的には回復が遅れ前年並み。


 「機械」は5万3千トン(同1・5%減)。新規案件や外需の回復等に期待するが、建機・農機市場の需要減速は続くと見られ、前年比微減を予想する。 「金属製品」は9万4千トン(同0・2%増)。PCM関連の需要回復や半導体供給の正常化による関連産業の好調も見込まれるが、全体市況には大きな変化はなく前年並み。 「木工製品」は1万2千トン(同1・6%増)。需要減、資材値上げによる買い控えは下げ止まる見込み。国内の好況感による内需活性化に期待もあり微増を予想する。「家庭用」は2万7千トン(同1・5%増)。個人消費の回復やメーカー各社のホームセンター・建材マーケットでの拡販も期待され、微増を見込む。

「輸出」は5万6千トン(同0・5%減)。中国経済の失速は回復せず、その他市況環境も変化無く、前年度並みを予想。 「路面標示」は6万8千トン(同1・0%減)。原材料の高騰で販売価格を値上げする必要もあり、荷動きは鈍化が見込まれる。公共事業を中心に拡販活動を行い販売増を目指すが、ほぼ前年並みを予想する。 「その他」は6万2千トン(同1・7%減)。皮革、紙製品その他市場の大きな変化はなく、微減の見込み。

日本塗装時報第2092号(2024年4月18日)掲載記事


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