塗料メーカー各社の2025年3月期決算

 アサヒペンの2025年3月期連結決算は、第3期まで好調であったペット用品事業の売上が第4期四半期で減少し、売上高は171億51百万円(前年同期比0・3%増)にとどまった。

 営業利益は8億65百万円(同2・5%増)、経常利益は9億43百万円(同2・3%増)。政策保有株式を一部売却したことによる投資有価証券売却益1億92百万円を計上し、純利益は7億1百万円(同84・4%増)と大幅に増えた。

 2026年3月期の予想は、売上高172億円(前期比0・3%増)、営業利益9億円(同4・0%増)、経常利益9億60百万円(同1・7%増)、純利益5億80百万円(同7・4%減)、1株年間配当金60円(据置)。

 アトミクス2025年3月期連結決算は、売上高123億48百万円前年同期比1・9%増、営業利益3億50百万円(同2・6%減)、経常利益3億65百万円(同4・4%減)、純利益2億28百万円(同4・3%減)。

 道路用塗料、路面標示塗料、剥落防止対策の補修関連製品が好調。建築用塗料は水性系の屋根材が伸びた。

 2026年3月期の予想は、売上高130億円(前期比5・3%増)、営業利益4億40百万円同25・4%増)、経常利益4億50百万円同23・1%増)、純利益2億80百万円同22・4%増)、1株年間配当金17円(据置)。

 イサム塗料の2025年3月期連結決算は、売上高81億57百万円(前年同期比2・0%増)、営業利益6億28百万円(同2・8%減)、経常利益7億67百万円(同1・6%増)、純利益5億49百万円(同5・5%増)。

 自動車補修用塗料は水性1液ベースコート塗料「アクアスDRY」「CRONOS HD」、トラック荷台床面の木部保護塗料「ウッドプロテクト」、2液ウレタン樹脂塗料「ハイアートCBエコ」などが堅調。

 2026年3月期の予想は、売上高83億20百万円(前期比2・0%増)、営業利益6億38百万円(同1・7%増)、経常利益7億78百万円(同1・5%増)、純利益5億60百万円(同2・0%増)、1株年間配当金50円(据置)。

 エスケー化研の2025年3月期連結決算は、売上高1061億42百万円(前年同期比5・2%増)、営業利益124億44百万円(3・0%増)、経常利益148億74百万円(同12・8%減)、純利益107億29百万円(同9・3%減)。

 建築仕上塗材は、リニューアル市場で超耐久性や超低汚染機能を備えた高付加価値製品プレミアムシリーズなどを拡販。売上高は935億20百万円(同4・3%増)。耐火断熱材は、都市部の再開発事業が継続し、売上高は107億33百万円(同13・4%増)。

 2026年3月期の予想は前回発表と同じく売上高1090億円(同2・7%増)、営業利益128億円(同2・9%増)、経常利益149億円(同0・2%増)、純利益108億円(同0・7%増)、1株あたり年間配当金は前期の特別配当15円がなくなり、普通配当120円を据え置く。

 関西ペイントの2025年3月期連結決算は、売上高5888億25百万円(前年同期比4・7%増)、営業利益520億50百万円(同0・9%増)。経常利益はトルコの超インフレ会計による損失や為替差損の計上、持分法適用会社で減損損失を計上するなどの影響で491億3百万円(同14・9%減)。純利益は前の期に計上されていた一過性の特別利益の影響がなくなったことに加え、早期割増退職金や事業撤退損で383億6百万円(同42・9%減)。

 地域別では、日本の売上高は1638億96百万円(同0・9%減)、セグメント利益は239億19百万円(同11・5%増)。 インドの売上高は1423億35百万円(同4・2%増)、セグメント利益は141億93百万円(同4・1%減)。 欧州の売上高は1564億69百万円(同15・1%増)、セグメント損失は9億79百万円。 アジアのの売上高は686億70百万円(同4・5%減)、セグメント利益は91億88百万円(同12・9%減)。 アフリカの売上高は474億23百万円(同9・4%増)、セグメント利益は43億50百万円(同6・7%増)。 その他(北米)の売上高は100億31百万円(同8・9%増)、セグメント利益は32億4百万円(同2・8%減)。

 2026年3月期の予想は、売上高6000億円(前期比1・9%増)、営業利益540億円(同3・7%増)、経常利益580億円(同18・1%増)、純利益360億円(同6・0%減)、1株年間配当金56円(6円増配)。

 菊水化学工業の2025年3月期連結決算は、戸建て住宅の塗り替え需要が低迷し、売上高213億90百万円(前年同期比4・5%減)、営業利益2億64百万円(同52・2%減)、経常利益3億41百万円(同46・2%減)、純利益1億65百万円(同55・9%減)と減収減益。

 2026年3月期の予想は、売上高225億円(前期比5・2%増)、営業利益6億50百万円(同145・4%増)、経常利益6億91百万円(同102・1%増)、純利益4億33百万円(同161・1%増)、1株年間配当金17円(据置)。

 神東塗料の2025年3月期連結決算は、売上高207億58百万円(前年同期比9・5%増)、営業利益2億30百万円、経常利益4億71百万円、純損失59百万円。

 粉体塗料分野で各種部品メーカー向け塗料の出荷が好調。工業用電着塗料分野は建材向け塗料の出荷が拡大した。

 2026年3月期の予想は、売上高180億円(前期比13・3%減)、営業利益1億円(同56・7%減)、経常利益2億50百万円(同47・0%減)、純利益1億円。

 川上塗料の2024年12月~2025年2月期連結決算は、売上高13億74百万円(前年同期比4・5%減)と減収。機械・金属製品関連取引先の生産量の大幅減による需要減少が影響した。利益面では原材料高騰や運搬費の増加で営業損失29百万円、経常損失19百万円、純損失14百万円。

 2025年11月期の予想は、前回予想と変更なく、売上高63億60百万円(前期比7・6%増)、営業利益2億44百万円(同162・1%増)、経常利益2億60百万円(同82・1%増)、純利益2億5百万円(同20・2%増)、1株年間配当金40円(10円増配)。

 大日本塗料の2025年3月期連結決算は、照明機器事業が堅調で売上高725億11百万円(前年同期比0・8%増)。営業利益は国内塗料事業の費用増加や海外塗料事業における売上減少に伴う利益率低下により47億16百万円(同3・8%減)、経常利益51億99百万円(同2・6%減)となった。純利益は神東塗料を子会社化したことに伴う負ののれん発生益の計上及び政策保有株式の縮減による投資有価証券売却益の計上により、純利益94億37百万円(同105・1%増)。

 国内塗料事業の売上高は509億21百万円(同0.7%増)、営業利益は基幹システム更新に伴う一過性の費用増加や人件費等の増加により、19億6千8百万円(同2億32百万円減)。

 海外塗料事業の売上高は81億33百万円(同4・7%減)。営業利益は、東南アジアおよび中国における売上減少に伴う利益率低下により、2億38百万円(同1億7千7百万円減)。

 照明機器事業の売上高は104億18百万円(同 7・6%増)。営業利益は、業務用LED照明分野における大幅な増収により、20億63百万円(同1億73百万円増)。

 2026年3月期の予想は、売上高920億円(前期比26・9%増)、営業利益50億円(同6・0%増)、経常利益53億円(同1・9%増)、純利益34億円(同64・0%減)、1株年間配当金58円(9円増配)。

 中国塗料の2025年3月期連結決算は、売上高1311億52百万円(前年同期比12・9%増)と増収。営業利益153億81百万円(同26・2%増)、経常利益164億81百万円(同26・5%増)。純利益は上海第2工場の譲渡益(25億円)を計上し137億21百万円(同38・7%増)。

 2026年3月期の予想は、売上高1330億円(前期比1・4%増)、営業利益160億円(同4・0%増)、経常利益165億円(同0・1%増)、純利益110億円(同19・8%減)、1株年間配当金97円(据置)。

 日本ペイントホールディングスの2025年1~3月期連結決算(国際会計基準)は、売上収益は4057億24百万円(前年同期比5・6%増)。営業利益514億32百万円(同24・7%増)、税引前利益481億93百万円(同20・7%増)、四半期利益376億73百万円(同28・2%増)、純利益369億98百万円(同25・7%増)。

 日本の売上収益は483億68百万円(同4・1%増)、営業利益は44億21百万円(同19・2%増)。自動車、工業用塗料は増加、汎用塗料は前年同期並み。 ニプシーの売上収益は2218億78百万円(同2・6%増)、営業利益は347億70百万円(同15・9%増)。 デュラックスグループの売上収益は898億15百万円(同3・5%減)、営業利益は72億97百万円(同1・6%増)。 米州の売上収益は289億12百万円(同1・4%増)、営業利益は10億72百万円(同10・3%減)。 3月から新たに連結業績に加わったAOC社の売上収益は167億50百万円、営業利益は59億58百万円。

 通期(2025年1~12月)の予想は、売上高1兆8200億円(前期比11・1%増)。営業利益2440億円(同30・0%増)。税引前利益2260億円(同24・5%増)。純利益1620億円(同27・2%増)。1株年間配当金16円(1円増配)。

 日本特殊塗料の2025年3月期連結決算は、売上高660億60百万円(前年同期比2・1%増)、営業利益44億56百万円(同14・1%増)、経常利益67億9百万円(同12・5%増)、純利益49億42百万円(同25・2%増)。

 主力製品の防水材を中心に、建築・構築物用塗料の販売が堅調に推移。集合住宅大規模改修工事などの工事関連売上が前期比30・0%増となり、増収に寄与した。

 2026年3月期の予想は、売上高630億円(前期比4・6%減)、営業利益27億円(同39・4%減)、経常利益51億円(同24・0%減)、純利益40億円(同19・1%減)。1株年間配当金110円(20円増配)。

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