湿式仕上技術センターとNSKが講演会 「レジリエンス性能を持ったモルタル外壁住宅」

3月11日、日比谷コンベンションホール

 NPO法人湿式仕上技術センター(原田進理事長)と日本建築仕上材工業会(NSK、藤井実広会長)は、3月11日東京・日比谷コンベンションホール、3月19日大阪・建設交流館グリーンホールで、「建築用仕上塗材の基礎知識」と題し、CPDプログラム認定の講演会を開催した。

 東京会場では、開会にあたり原田理事長が「現在、戸建て住宅の外壁はサイディングが約80%、ラスモルタルが約7%である。近年、地震、台風、竜巻が多く発生しているが、軽量セメントモルタルの耐震安全性や飛来物に対する安全性はすでに実験を行い、公表している。今回の講演では、古賀先生に震災後の現地調査の実態をお話ししていただく。本日の講演会を機に、安全な軽量セメントモルタル外壁の理解を深め、皆様の仕事に生かしていただきたい」とあいさつ。

 講演に移り、まずNSK軽量セメントモルタル部会の稲垣和宏氏が「軽量セメントモルタルの基礎知識」、技術委員会担当者が「モルタル外壁に有効な建築用仕上塗材」について説明した。

 次に、元福岡大学工学部建築学科教授の古賀一八氏(マンション地震対応支援協会特別技術顧問・国立研究開発法人建築研究所客員研究員)が講師になり、「モルタル湿式外壁住宅の展望~レジリエンス性能を持ったモルタル外壁住宅~」について講演した。

 古賀氏は、災害調査の結果を踏まえ、サイディング外壁に比べ、ラスモルタル外壁は大地震や繰り返し起こる余震による建物変形を抑え、粘り強い構造物になることを説明した。

 また、サイディング外壁は防水性がなく塗装でカバーしていることや、耐衝撃性が弱いなど物理的欠点があることを指摘。

 職人不足や工期が長くなるなどの理由でラスモルタル外壁は減少したが、今後の建築物の補修には地震動や台風の風雨に強いラスモルタル外壁(湿式工法)が推奨されることを強調した。

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