
▼今年の冬は日本海側を中心に記録的な大雪が降った。地球規模の気候変動の影響か、夏は猛暑が長く続き、冬は一変して豪雪に見舞われるなど、日本の四季に異変が起こっている。昨年5~9月の熱中症による救急搬送は10万人を超え、消防庁が調査を始めた2008年以降で最多だった。日本気象協会の長期予報によると、今年は「夏の到来が早く、猛暑で多雨」という。熱中症対策も早く始める必要がある。
▼熱中症による労働災害は毎年、建設業が約2割を占め、製造業と並んで業種別では最も多い。現場での対策には、ゼネコン各社も高い危機感を持って取り組んでいる。昨年末、真冬にもかかわらず竹中工務店本店では「熱中症対策フェア」が開催された。近年の猛暑に対応して、熱中症対策もどんどん進化している。同フェアでは最新の装備・グッズ類や設備、システムが紹介された。
▼空調服はすでに現場作業の必需品だが、デザインにも改良が加えられている。村上被服のブランド、HOOH(鳳凰)の空調服「V1100」シリーズは、冷却効果を高めるため、電動ファンを背中の高い位置に設置した。この「ミドルファン」のほうが体の冷却効果が良いとのことで、今年の空調服のトレンドになりそうだ。
▼外気温が35度を超えると、空調服だけでは効果がない。村上被服のペルチェベストセット「PV333」は、冷暖プレートとモバイルバッテリーを組み合わせた。熱伝導率に優れたグラフェンを搭載し、プレート全面が冷却される。
▼おなじみ「ポカリスエット」も、凍らせて飲むタイプ「ポカリスエット アイススラリー」がラインナップされた。細かい氷の粒子が液体に分散した状態の飲料で、流動性が高いことから通常の氷よりも体の内部を効率よく冷やすという。
▼現場作業者の体調を管理するシステムもさまざまなタイプが実用化されている。村田製作所は、ヘルメットに装着したセンサーで作業者の体調を遠隔から確認できるシステムを開発した。センサーから送られる情報を基に、熱ストレスと転倒・落下を判定し、指定の連絡先にアラート通知を行うことも可能だ。
▼クラボウの「Smartfit(スマートフィット) for work」は、作業現場のリスクを見える化してアラート通知する。センサーはウォッチ、シャツの2タイプが選べ、暑熱作業、体調変化、転倒などのリスクをリアルタイムでパソコンなどに表示する。
▼ただ、どのような対策をしていても、熱中症のリスクを完全になくすことはできない。気象庁は今年から40度以上の日に新たな名称(酷暑日など)をつける検討をしているようだ。夏場の就業時間を変えたり、一定の気温を超えると現場作業を休止するなどのルールづくりが急がれる。(合田)





















