
製販装3団体で構成する塗料塗装普及委員会は2月5日、「2025年度建築塗料・塗装セミナー」を東京塗料会館会場とウェブ配信によるハイブリッド方式で開いた。
今回は「建築塗料のトピックス」「塗装業界における技能の伝承と担い手確保の取り組み」の2つのテーマを設定。建築塗料の最新動向、塗料・塗装の不具合事例と対策、第28回全国建築塗装技能競技大会の成果、外国人材の受け入れ状況などを取り上げた。
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「建築塗料のトピックス」第1部では日本塗料工業会技術委員会建築塗料部会委員の津村昌伸氏が「建築塗料市場の最新動向」と題して講演した。
津村氏は住宅着工件数の推移や塗料出荷状況を報告。 住宅市場は資材高騰や省エネ基準適合義務化による駆け込み需要の反動で低調だが、塗料出荷金額は上昇傾向にある。 品種別では、シリコンやフッ素などの高耐候性・上位グレード品へのシフトが鮮明になっていることを指摘した。
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次に、同部会委員の原田賢治氏が具体的な不具合事例と対策を詳しく解説した。 特に近年は、既存塗膜の高耐候性化に伴う付着不良や、記録的な猛暑による「含水蓄熱ぶくれ」、水系塗料の「皮脂軟化」といった新しいタイプの不具合が増加していると指摘。 施工前の下地見極めや、環境に応じた適切な下塗り材の選定、工程間隔の厳守を強く呼びかけた。
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続いて、日本塗装工業会(日塗装)技能副委員長の齋藤佳昭氏が、昨年札幌市で開催された「第28回全国建築塗装技能競技大会」の報告を通じ、塗装の魅力と可能性を語った 。
同大会は57年の歴史を持ち、技術の継承や後継者育成を目的とする業界最大の技能競技会 。今回は全国10ブロックから選抜された38名の精鋭が参加 。刷毛塗りや多孔質ローラーを用いた模様仕上げ、高度な色彩感覚が問われる「調色」など、制限時間内に計5つの課題に挑んだ。
特に注目を集めた「自由課題」では、エレベーターホールを想定した壁面創作が行われ、大理石調や和風仕上げなど、職人の創造性が光る多彩な意匠が披露された 。齋藤氏は、過酷な練習を積み重ねた選手たちの奮闘を称えるとともに、意匠性が高く自由な表現が可能な塗装の価値を、次世代へ伝承していく重要性を強調した。

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次いで、日塗装副会長の若宮昇平氏は、深刻化する若手技能者不足への対策として、外国人材の受け入れと育成の現状について講演した。
国内の建設技能者は60歳以上が約4分の1を占める一方、29歳以下は1割強に留まっており、業界の持続には外国人材の活用が不可欠となっている。
日塗装では、特定技能や新たに創設される「育成就労」制度への対応を強化している。インドネシアやベトナムでの職種説明会では、日本の繊細な塗装道具や技術が現地若者から高い関心を集めた。
若宮氏は自社でのミャンマー人実習生の育成事例を紹介し、日本語検定への挑戦や地域住民との良好な関係構築が定着の鍵であると語った。
若宮氏は「外国人材は塗装業の未来を担う重要な戦力だ」と強調。多国籍の技能者が共生し、互いの文化を尊重しながら技術を研鑽する環境づくりが、日本の建設業界の新たな活力になると訴えた。





















