

環境色彩コンペ「第28回グッド・ペインティング・カラー」(主催・日本塗料工業会、日本塗料商業組合、日本塗装工業会)の入賞作品が決まった。表彰式は1月7日、ホテルニューオータニ(東京)で行われる。
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入賞作品
(作品名、所在地、受賞代表者、所属先)
【新築部門】《最優秀賞》国分寺市役所新庁舎(東京都、鈴晃樹、竹中工務店)《特別賞》富士ソフト汐留ビル(東京都、平尾雅之、竹中工務店)▽ヒューリックスクエア福岡天神(福岡県、塩谷尚斉、大成建設
【改修部門】《優秀賞》コーシャハイム八潮北、同西、同南(東京都、橋本龍寛、東京都住宅供給公社)▽金山団地(福岡県、中村久、都市再生機構)《特別賞》和洋学園八幡寮(千葉県、池田麻紀、日本ペイント)
【戸建改修部門】《優秀賞》N様邸(富山県、塚本翔大、オリバー)▽N様邸(千葉県、鬼原裕之、茂原住宅塗装)《特別賞》K様邸(福島県、木田賢太郎、松本塗装店)
「色彩が持つ可能性の広がりを実感」 田嶋審査委員長の講評
本年度の応募作品では、色彩選定にとどまらず、塗装面の素材や仕上げ、形態などを複合的に捉えた提案が数多く寄せられた。また、色彩を多様なステークホルダーとのコミュニケーション手段として活用する提案も見られ、色彩が持つ可能性の広がりを実感した。
これらの点から、本コンペティションの成熟を感じるとともに、新たな段階へと飛躍したことを大変嬉しく思う。
色彩設計を実施し塗装仕上げされた建築物等が景観形成にもたらす重要性を、あらためて強く実感した。今後も多くの方々とともに、環境色彩分野の土壌を耕し、その可能性を育てていきたいと願っている。
なお、内装部門(大規模・単独)については、本年度の応募が少なかったため、募集要項の明確化を含めた改善を行い、次年度の公募手続きへ進む予定である。
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最優秀賞を受賞した国分寺市役所新庁舎は、色彩設計によって建物の表情の骨格をつくり出した意欲的な作品である。
周辺環境を丁寧に読み取り、建物の長手立面が面する東山道武蔵路側と都立武蔵国分寺公園側とで、異なる外壁の基調色を採用している点が特徴的だ。
特に、公園側に選定された低彩度のグレイニッシュグリーンが印象的である。まちのシンボルとなることの多い庁舎を、市民参加の色彩ワークショップなどを取り入れながら、国分寺市の日常景観の延長として、市民に寄り添う「気持ち」で考え抜いた姿勢からは、本事業に関わったすべての人々の優しい想いが伝わってくる。




















