新刊紹介　『地域最強のNo.1店のつくり方』

　著者の石井満久氏は、塗装職人の兄にアルバイトに誘われたことをきっかけに塗装業に入り、21歳で独立。29歳で茨城県取手市に石井建装を設立した。会社設立後は、大きな市場を狙うのではなく、戦う場所と商材を決めて、セグメントを絞り、そこでのナンバーワンを狙う「ランチェスター戦略」を実践。地域を「茨城県」「外壁と屋根の塗装」という限られた地域と領域でナンバーワンを目指した。

　そのため「お客様ファースト」の姿勢を貫き、無理に値引きしない適正価格、施工後の10年保証と定期点検を基本に、信頼を積み重ねた。　認知度を上げるためには、有名人（ヒロミ）を起用。幹線道路沿いに大きな看板を立て、新聞折り込み広告やチラシのポスティングを展開した。ポスティングは最初は狭い地域に絞り、徐々に拡大した。初年度年間４００万円の広告費で、１億５千万円の受注を得た。

　石井氏は地域の社会貢献活動にも熱心に参加しており、ボランティア団体「塗魂（とうこん）ペインターズ」の北関東メンバー。社会貢献活動は巡り巡って業界と自社の信頼となる「未来への投資」という。発行・内外出版社、２１６ページ、税込み１６５０円。

日本塗装時報第2092号（2024年4月18日号）掲載記事