東塗協・日塗装東京支部 東京消防庁講演会をウェブ開催

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東京都塗装工業協同組合/日本塗装工業会東京支部

 

 東京都塗装工業協同組合(鈴木芳昭理事長)と日本塗装工業会東京支部(山崎久康支部長)は2月22日、東京都渋谷区の塗装会館で令和5年度「東京消防庁講演会」をユーチューブによるライブ配信形式で開催した。東京消防庁予防部危険物課課長補佐兼石油コンビナート担当係長・石川宏美氏が「事故事例から学ぶ危険物等の性質と安全対策」と題して講演した。

 鈴木浩之副理事長の司会で開会。橋本泰宏安全環境委員長のあいさつの後、石川宏美係長が事故の具体的な事例を紹介し、危険物を取り扱う際の安全対策のポイントを説明した。要旨は次の通り。

 危険物の性質には「常温で固体または液体であるもの」と「それ自体が発火、引火しやすいもの、それ自体は燃えないが、他の物質の燃焼を促進するもの」が合わさって事故につながる。具体的には、車・ストーブの燃料、消毒用アルコール、アロマオイル、スプレー缶、モバイルバッテリー、着火剤など、これらの危険物は火災発生・拡大の危険性が大きく、火災になった場合に消火が難しい性質を有している。 塗装で用いられる危険物では下地補修用パテ(可燃性固体)、塗料・剥離剤・プライマー・トップコート(引火性液体)、硬化剤(自己反応性物質)が消防法の危険物にあたる。


 可燃性ガス、エアゾール製品の事故事例では、仕事を終えて同僚と駐車場に戻り、リアのドアを左右とも開けた状態でエンジンをかけエアコンを内気循環にし、車両内で自分の体と車の中を冷やすためスポーツ用冷却スプレーを噴射し、車内が冷えてきたので開けていたリアドアを閉め、たばこを吸おうとライターを点火した途端、溜まっていた可燃性ガスに引火し、出火した。エアゾール製品は、噴射剤として可燃性ガスを使用するものが多い。

 工事現場の火災事例では▽ルーフバルコニーの床面に接着剤を塗布し、ガラスマットを固着する防水処理の作業中、小分けして置いていた硬化剤の容器が風で倒れてこぼれ、スチレンとの重合反応が急激に進んで発火・出火。硬化剤の容器の口は開いたままであった。容器の蓋を閉め、倒れない場所・離れた場所に置き、取り扱う製品の危険性を理解した上で、適切に使用しなければならない。▽浴室の床の防水材を早く乾かすため、ガストーチバーナを使用し、防水材から発生した可燃性蒸気に引火し出火。防水材には「火気厳禁」や「常温で引火性がある」と注意書きがされていたが、守られていなかった。使用する前に製品の取扱説明書等を確認し、注意事項を遵守する。火気を使用する際は、周囲の状況をよく確認する。

 建設現場での主な出火原因として、▽溶接・溶断作業による火花の飛散▽タバコの不始末▽夜間施錠されていない工事現場への放火―などがある。

日本塗装時報第2091号(2024年3月18日)掲載記事

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