
日本ペイントの川上晋也研究員らと、東京大学大学院工学系研究科の佐藤龍平助教・澁田靖教授らによる研究グループは、「分子動力学シミュレーション」により、水性塗料を構成する高分子の動きを分子レベルで可視化し、溶媒組成と高分子形態の関係を体系的に明らかにした。
水と有機溶剤の二成分系では、相分離が高分子の局所凝集を誘発すること、また溶媒蒸発過程では高分子–溶媒相互作用の強さが凝集の進行を左右することを示した。
今回の研究は、東京大学と日本ペイントホールディングスとの産学協創協定に基づき設置された社会連携講座「革新的コーティング技術の創生」の共同研究テーマとして実施。研究成果は12月12日、米国化学会誌「ACSOmega」に掲載された。同研究で得られた知見は、今後塗料設計の指針となり、環境負荷の少ない水性塗料の開発に貢献することが期待されている。




















