日本塗料工業会(毛利訓士会長)は12月12日、東京塗料会館会場とウェブ配信による第34回塗料産業フォーラムを開催した。
毛利会長が開会のあいさつを述べたあと、植松宗久・厚生労働省労働基準局安全衛生部化学物質評価室長補佐が「労働安全衛生法の進化と新時代の化学物質規制」のテーマで講演した。
植松氏は労働安全衛生法に基づく化学物質規制の見直しの経緯と全体像、新たな規定の概要、および今後の法改正について説明した。
化学物質による労働災害は年間約500件程度発生しており、特に製造業での割合が高い。従来の規制(特化則、有機則など)の対象外物質による労働災害が81.5%と大半を占めていたため 、特別規則を主眼とした規制から、事業場における自律的な管理へと転換する必要が生じた。
新たな規制では、危険有害な化学物質を譲渡提供する者に対し▽ラベル表示義務:▽SDS交付義務―が課せられることになった。
譲渡提供を受けた企業は、これらの情報に基づきリスクアセスメントを行い 、その結果に基づいた暴露低減措置を講ずる義務がある。このラベル表示・SDS交付・リスクアセスメントの対象物質は、令和8年4月には約2900物質に増加する見込みである。
SDS交付等の義務対象物質は順次追加され、具体名は厚生労働省令で規定されるようになる。また、SDS情報の通知手段として、電子メールやホームページアドレスの伝達など、相手方が容易に確認可能な方法であれば、承諾なしに採用可能となるなど柔軟化された。
続いて、西村杉雄・日本化学工業協会化学品管理部長が「製品含有物質・資源循環情報プラットフォーム CMPについて」、金丸大地・トヨタ自動車サプライチェーン戦略部戦略室1グループ主幹が「自動車サプライチェーンのカーボンニュートラル」、高橋晃一郎・大林組技術本部生産技術研究部副部長らが「建築業界を取り巻くカーボンニュートラルの現状と塗料が担う役割」と題して講演した。





















