塗料メーカー各社の2025年4~6月期決算

 イサム塗料の2025年4~6月期連結決算は、塗装関連機器等の販売減少により売上高19億83百万円(前年同期比1・2%減)と減収。利益面では当初予定していた生産設備改修費用が第2四半期以降にずれ込んだため、営業利益2億12百万円(同20・7%増)、経常利益2億57百万円(同19・8%増)、純利益1億72百万円(同17・3%増)と増益になった。

 通期の予想は、前回発表と同じく売上高83億20百万円(前期比2・0%増)、営業利益6億38百万円(同1・7%増)、経常利益7億78百万円(同1・5%増)、純利益5億60百万円(同2・0%増)、1株当たり年間配当金50円(据置)。

 2025年11月期通期の予想は、売上高57億90百万円(前期比2・1%減)、営業利益10百万円(同89・3%減)、経常利益38百万円(同73・4%減)、純利益24百万円(同85・9%減)、1株当たり年間配当金44円(設立80周年記念配当4円を含み14円増配)。

 関西ペイントは8月8日、2026年3月期の配当予想を修正すると発表した。配当性向を30%から50%以上へ引き上げ、1株当たり年間配当金を110円(前回発表は56円)とする。

 2025年4~6月期連結決算は、売上高1446億80百万円(前年同期比0・5%減)。営業利益122億41百万円(同19・0%減)、経常利益は為替差益の減少などにより143億78百万円(同27・8%減)、純利益84億81百万円(同28・6%減)。

 日本は売上高392億70百万円(前年同期比4・9%減)、セグメント利益は50億94百万円(同14.・7%減)。自動車用は堅調だったが、工業、建築、防食、船舶用分野が前年同期を下回った。

 インドの売上高は369億64百万円(同8・2%減)、セグメント利益は44億21百万円(同18・4%減)。

 欧州の売上高は378億87百万円(同12・6%増)、セグメント利益は26百万円(同97・0%減)。

 アジアの売上高は166億16百万円(同3・9%減)、セグメント利益は25億円(同14・5%減)。

 アフリカの売上高は114億92百万円(同12・4%増)、セグメント利益は10億81百万円(同35・8%増)。

 通期の予想は、売上高6000億円(前期比1・9%増)、営業利益540億円(同3・7%増)、経常利益580億円(同18・1%増)、純利益360億円(同6・0%減)、1株年間配当金110円(60円増配)。

 大日本塗料の2025年4~6月期は、神東塗料グループの連結子会社化が寄与し、売上高は223億円(前年同期比27・6%増)と大幅に増えた。利益面は販売の伸び悩みや人件費の増加などが影響し、営業利益は7億5百万円(同35・4%減)、経常利益8億48百万円(同38・6%減)。前の期に子会社売却益があったため、純利益は3億81百万円(同67・2%減)。

 国内塗料事業の売上高は172億87百万円(同 39・4%増)、営業利益は1億49百万円(同 65・8%減)。一般用分野はJIS影響が継続して販売が低調、工業用分野は自動車部品などの市況が不振だったが、インク・分散技術関連は増加した。

 照明機器事業の売上高は22億74百万円(同3・9%減)、営業利益は3億44百万円(同26・4%減)LED照明分野は、再開発案件を中心とした商業施設向けや宿泊施設向けの需要が堅調。

 通期の予想は、前回発表と同じく売上高920億円(前期比26・9%増)、営業利益50億円(同6・0%増)、経常利益53億円(同1・9%増)、純利益34億円(同64・0%減)、1株年間配当金58円(9円増配)。

 主力の船舶用塗料分野は、新造船向けでは中国・韓国が堅調に推移し、大幅に増加。修繕船向けは、IMO(国際海事機関)燃費規制への対応などで世界的に高性能船底防汚塗料への需要が高まり、欧米や東南アジアが堅調に推移した。工業用塗料分野は主力の東南アジアで重防食塗料向の需要が減少したが、日本で販売価格の改定、需要の回復により増収。コンテナ用塗料分野は東南アジアの大口顧客の生産調整の影響を受け減収。

 コーティング材の売上高は69億49百万円(同8・1%減)、営業利益は2億43百万円(同1・2%増)。自動車向け塗料の国内販売は低調に推移したが、海外販売はタイ市場での新製品の立ち上げに加え、インド・ベトナム・インドネシア向け製品が好調。自動車向け以外の塗料は、国内外ともに販売が低調。

 塗料の売上高は33億2百万円(同10・8%増)、営業利益は2億6百万円(同239・4%増)。主要顧客向けの出荷が価格改定の効果もあり好調。リフォーム用塗料は、集合住宅向けの需要が寄与した。

 塗料関連事業の売上高は50億4千万円(同17・9%減)、セグメント利益は2億1百万円(同21・5%減)。建築・構築物用塗料は前年同期並みだったが、集合住宅大規模修繕工事で大型物件の反動減が影響した。

 自動車製品関連事業の売上高は100億92百万円(同1・2%減)、セグメント利益は5億93百万円(同5・0%減)。アジア地域における国内自動車メーカーの販売不振を受け、吸・遮音材の販売が減少した。

 通期の予想は、前回発表と同じく売上高630億円(前期比4・6%減)、営業利益27億円(同39・4%減)、経常利益51億円(同24・0%減)、純利益40億円(同19・1%減)。1株当たり年間配当金110円(20円増配)。

 日本ペイントホールディングスの2025年1~6月期連結決算(国際会計基準)は、新規に連結したAOC社などの業績が寄与し、売上収益8524億28百万円(前年同期比4・3%増)、営業利益1211億75百万円(同31・1%増)、税引前利益1160億45百万円(同29・1%増)、中間利益886億94百万円(同35・6%増)、純利益874億54百万円(同34・4%増)。

 日本の売上収益は1,006億44百万円(同3・5%増)、営業利益は99億12百万円(同9・5%増)。自動車用塗料は前年同期を上回ったが、工業用塗料は横ばい。汎用塗料は改修工事が低調だった。

 ニプシーの売上収益は4383億79百万円(同4・3%減)、営業利益691億33百万円(同12・0%増)。自動車用塗料は中国の現地メーカー向け販売が好調。汎用塗料は、マレーシア、シンガポールが増加したが、その他地域は伸び悩んだ。

 デュラックスグループの売上収益は1886億10百万円(同5・0%減)、連結営業利益は183億59百万円(同1・1%減)。

 米州の売上収益は600億41百万円(同4・8%減)、営業利益は39億5百万円(同19・4%減)。

 AOC社の売上収益は647億53百万円、営業利益は230億20百万円。

関連記事

ピックアップ記事

日本塗装時報 最新掲載記事

◇◇◇(株)日本塗装時報社◇◇◇
設立:昭和24年2月
【本社・編集部】〒532-0011
大阪市淀川区西中島4-7-2-802
TEL06-6305-5300/FAX06-6305-5303
【東京連絡所】〒170-0013
東京都豊島区東池袋1―33―4-401
TEL03-3590-5215/FAX03-3590-5220
関連会社:有限会社サイバーアーツ

ページ上部へ戻る