塗料メーカー各社の2025年4月~9月期決算

 2026年3月期の予想は、前回発表と同じく売上高225億円(前期比5.2%増)、営業利益6億50百万円(同145.4%増)、経常利益6億91百万円(同102.1%増)、純利益4億33百万円(同161.1%増)、1株当たり年間配当金17円(据置)。

 藤倉化成が11月13日発表した2025年4~9月期連結決算は、売上高269億58百万円(前年同期比7.1%減)、営業利益10億17百万円(同39.8%増)、経常利益11億82百万円(同9.0%増)、純利益8億57百万円(同19.7%増)。

 建築用塗料の売上高は64億45百万円(同12.1%増)、営業利益は3億63百万円(同269.0%増)。新築用は前年並み、リフォーム用は集合住宅向けの販売が堅調に推移した。

 2026年3月期の予想は、売上高535億円(前期比3.7%減)、営業利益16億円(同22.5%増)、経常利益18億円(同11.5%減)、純利益12億円(同134.8%増)、1株年間配当金18円(据置)。

 塗料関連事業の売上高は100億5千万円(同17.5%減)、セグメント利益は3億44百万円(同35.1%減)。建築・構築物用塗料は横ばい。集合住宅大規模改修工事は大型物件の反動減が大きかった。

 自動車製品関連事業の売上高は202億43百万円(同0.6%減)、セグメント利益は12億91百万円(同6.5%減)。中国・アジア地域における国内自動車メーカーの販売不振の影響を受け、主力製品である吸・遮音材の販売が減少した。

 通期の予想は、売上高605億円(前期比8.4%減)、営業利益30億50百万円(同31.6%減)、経常利益56億50百万円(同15.8%減)、純利益48億円(同2.9%減)。1株当たり年間配当金60円(8円減配)。前回発表時より売上高は下方修正したが、持分法による投資利益の増加、固定資産売却益の計上などにより、利益は上方修正した。

 汎用・床用塗料は熱中症対策により遮熱関連製品が増加。道路用塗料はインフラ補修関連製品、施工機械が伸びたほか地図管理システムが県警に採用されたことにより前年を上回った。

 建築仕上塗材の売上高は463億55百万円(同1.5%増)。特にリニューアル市場で耐久性や低汚染機能で差別化した省エネタイプの遮熱塗料などに力を入れた。耐火断熱材の売上高は57億13百万円(同4.5%増)。都市部の再開発事業における受注が引き続き堅調に推移した。

 関西ペイントが11月7日発表した2025年4~9月期連結決算は、売上高2892億23百万円(前年同期比1.6%減)、営業利益243億26百万円(同7.6%減)。為替差益の計上などにより経常利益は286億6百万円(同10.0%増)、純利益は減損損失や事業撤退損などの一過性の特別損失により161億87百万円(同3.2%増)。

 日本の売上高は799億48百万円(同2.4%減)、セグメント利益107億81百万円(同0.5%減)。自動車、工業用分野は増加したが、建築、防食、船舶分野が減少した。

 インドの売上高は701億65百万円(同6.9%減)、セグメント利益は72億63百万円(同13.6%減)。自動車分野は現地通貨ベースでは増加したが、円高による為替換算の影響を受けた。

 欧州の売上高は前年に行ったボルトオン型M&Aが寄与し792億22百万円(同3.8%増)。セグメント利益はトルコの超インフレによる影響が大きく、5億11百万円(同31.1%減)。

 アジアの売上高は327億77百万円(同2.2%減)、セグメント利益は51億13百万円(同0.9%減)。

 アフリカの売上高は225億73百万円(同4.8%増)、セグメント利益は22億35百万円(同29.8%増)。東アフリカ地域の建築分野、工業分野がは堅調に推移した。

 その他の売上高は45億35百万円(同16.9%減)、セグメント利益は9億92百万円(同52.4%減)。

 通期の予想は前回発表を若干下方修正し、売上高5900億円(前期比.2%増)、営業利益510億円(同2.0%減)、経常利益550億円(同12.0%増)、純利益340億円(同11.2%減)、1株年間配当金110円(60円増配)

 大日本塗料が11月7日発表した2025年4月~9月期連結決算は、前期に連結子会社となった神東塗料グループが加わり売上高459億65百万円(前年同期比27.2%増)。利益面は収益性の低下に加え、人材強化を目的とした人件費の増加などの影響が大きく、営業利益18億17百万円(同28.0%減)、経常利益21億24百万円(同23.2%減)。純利益は前期に計上された子会社株式売却益の剥落により、14億5百万円(同48.3%減)。

 国内塗料事業の売上高は354億66百万円(同38.5%増)、営業利益は5億42百万円(同51.9%減)。一般用分野はJIS影響の継続により低調。工業用分野は自動車部品などの市況が低調に推移した。インク・分散技術関連は、需要が堅調で前年同期を上回った。

 海外塗料事業の売上高は41億55百万円(同0.8%増)、営業利益2億39百万円(同55.8%増)。東南アジアでは日系自動車メーカーが不振だったが、神東塗料グループが寄与した。

 照明機器事業の売上高は48億77百万円(同1.1%減)、営業利益8億44百万円(同18.1%減)。LED照明は再開発案件を中心とした商業施設向けや宿泊施設向けが堅調。

 蛍光色材事業の売上高は5億39百万円(同3.7%減)、営業利益は18百万円(同44.1%減)。

 通期では前回発表時の利益予想を若干下方修正し、売上高920億円(前期比26.9%増)、営業利益41億円(同13.1%減)、経常利益43億円(同17.3%減)、純利益29億円(同69.3%減)、1株当たり年間配当金58円(9円増配)。

 通期の予想は、売上高160億円(前期比6.7%減)、営業利益6億30円(同27.2%減)、経常利益7億円(同25.8%減)、純利益6億円(同14.4%減)、1株年間配当金60円(据置)。

 インダストリアル分野は粉体塗料が堅調に推移したが、建築資材向けが低調。インフラ分野は防食塗料分野で、重機向けおよび工場設備補修向けが増加した。自動車用塗料分野は価格改定の影響により増収。その他塗料分野は、軌道材料製品の道床安定剤が好調で増加した。

 イサム塗料が11月6日発表した2025年4~9月期連結決算は、売上高40億86百万円(前年同期比1.2%増)、営業利益3億80百万円(同30.5%増)、経常利益4億61百万円(同29.4%増)、純利益3億21百万円(同29.6%増)。

 環境対応型塗料や高機能性塗料で販路拡大に注力、大型車両分野や工業用分野などの新規市場開拓や建築用塗料の受注拡大に努めた。価格改定の効果もあり増収増益。

 通期の予想は、前回発表と同じく売上高83億20百万円(前期比2.0%増)、営業利益6億38百万円(同1.7%増)、経常利益7億78百万円(同1.5%増)、純利益5億60百万円(同2.0%増)、1株当たり年間配当金50円(据置)。

 修繕船向けは世界的に高性能船底防汚塗料への需要が高まる中、欧州を中心に堅調に推移した。工業用塗料分野は日本での需要の回復や欧州の出荷量の増加により増収。コンテナ用塗料分野は中国での販売が回復した増加した。

関連記事

ピックアップ記事

日本塗装時報 最新掲載記事

◇◇◇(株)日本塗装時報社◇◇◇
設立:昭和24年2月
【本社・編集部】〒532-0011
大阪市淀川区西中島4-7-2-802
TEL06-6305-5300/FAX06-6305-5303
【東京連絡所】〒170-0013
東京都豊島区東池袋1―33―4-401
TEL03-3590-5215/FAX03-3590-5220
関連会社:有限会社サイバーアーツ

ページ上部へ戻る