関西ペイント スパイバー社に出資 新素材の共同研究を開始
関西ペイント
関西ペイントは、Ｓｐｉｂｅｒ（スパイバー、山形県鶴岡市、関山和秀取締役兼代表執行役）と、構造タンパク質を用いた塗料分野の新素材・新技術の開発に向け、投資契約を締結するとともに、スパイバー社が実施する第三者割当増資の引き受けにより、同社株式を取得した。
関西ペイントとスパイバー社は、かねてよりサーキュラーエコノミー（循環経済）の実現に向け、それぞれ事業活動に取り組んできた。関西ペイントのこれまでの塗料開発で培ってきた技術に、スパイバー社独自の技術プラットフォームおよび開発・生産を行う人工構造タンパク質素材「Ｂｒｅｗｅｄ Ｐｒｏｔｅｉｎ（ブリュード・プロテイン）」を融合させ、新素材、新技術の開発・実現を目指す。
スパイバー社は２００７年９月に創業したバイオテクノロジーのベンチャー企業。同社が開発・生産を行う人工構造タンパク質素材は、原料に石油や動物素材を使わず、植物由来のバイオマスを使用して微生物発酵プロセスによって製造する。ウール、シルクなどの動物由来の天然繊維や、化石燃料由来の合成繊維、樹脂、合成皮革、接着剤、乳化剤、機能性フィルムなど既存素材の代替品になるほか、代替肉などの食品分野、生体適合素材などの医療分野での活用が期待されている。また、化石燃料由来の製品が発生原因であるマイクロプラスチック排出問題の解決への貢献が見込まれる。
関西ペイントでは、塗料の原材料に使用する石油製品などを持続可能な資源に転換していくことが、不可欠であると認識しており、２０５０年を目途にしたマテリアリティ（重要課題）の一つとして「資源と経済循環両立の高度化」を掲げている。
日本塗装時報第2092号（2024年4月18日号）掲載記事
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