女性ネットワークの会が講演会 「さらなる女性の活躍推進を目指して」

 日本建築仕上学会・女性ネットワークの会(熊野康子主査)は10月30日午後、東京都内会場とオンライン配信による2025年講演会を開催した。

 森嶋順子副主査の開会あいさつに続き、服部道江氏(HATTRI LABO)が講演。自身の経験と現在の仕事(キャリアコンサルタント、社会福祉士)の視点から、ジェンダーバイアスと働き方改革の重要性に焦点を当てた。

 服部氏は元大林組社員として、建設業界における女性活躍の遅れを指摘。現場の仕事が体力仕事という固定観念は、実際は資料作成などのデスクワークに時間がかかる長時間労働の問題であり、ジェンダーバイアスにつながっていると論じた。

 ジェンダーバイアスを解消するには、幼い頃からの教育と意識改革が不可欠で、男女問わずそれぞれが選択した生き方(企業で働く、家庭を守る)を認め合う「多様性の尊重」が理想と指摘。女性がもっと政治にも参画して根本的な問題を正してほしいと期待を述べた。

 次に、熊野主査が講師となり、自身の経験とこれから活躍する女性へのメッセージを述べた。

 熊野氏は、電線会社での道路補修材開発や、ゼネコンでの自然に消える墨出し用ペンの開発、シックハウス対策の内装材などの開発に携わった。また、ゼネコン本社では技術指導・提案、防水材料の扱いなど技術部の仕事も経験。建築学会ではペット用建材や子育て用建材のワーキンググループの主査を務め、キッズデザイン賞を受賞するなど幅広く活躍した。また、定年直前には菊水化学工業との共同研究で、脱炭素・防カビ・消臭機能を持つ室内用脱炭素塗料「ジオアース300Fクリーン」を開発した。

 熊野氏は、女性技術者が少数派だった時代から「チャンスだ」と常に前向きに考え、子育てや単身赴任をしながら仕事を続けた。そして、これから活躍する女性には、大胆な発想と、専門性を持ち、家事・育児の経験を仕事に活かすことの重要性を強調。女性の感性や目線は建築仕上げ技術に不可欠であると締めくくった。

 続いて、このほど実施したアンケート調査の結果を発表。内勤、現場、メーカー別の各調査結果をもとに、主に両立支援、労働環境、ジェンダーバイアス、評価制度、休暇制度などについて、パネルディスカッションを行った。

パネルディスカッション

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