【Web限定】「橋梁銘板・塗装記録表コレクション」(2)はじめに
- 2020/5/16
- Web限定記事
点検や塗替え時の参考にする「塗装記録表」
また、橋梁には「銘板」とともに「塗装記録表」が記されています。これは「銘板」とは若干用途が異なり、後々の点検や塗り替え作業時の参考のために残すものです。

橋梁の塗り替えでは、新しい塗料を塗る前に、旧塗膜(以前に塗った塗料)を剥がす、落とすなどの下地処理(素地調整)を行います。また、工期短縮や環境保護の観点から、旧塗膜をすべて剥がしてしまわずに、敢えて一部残した状態で上から新しい塗料を塗ることもあります。いずれの場合も「塗装記録表」で旧塗膜が何であったかを知ることで、塗り替え工事の計画が立てやすくなるのです。
構造物に残す塗装記録表はあくまでも、不慮の出来事(台帳の紛失など)に備えるためのもので、詳しい塗装記録は、竣工図書や管理台帳などに記録することが定められています。
「塗装記録表」に記すもの
「塗装記録表」に記す内容は、事業主体(発注機関:整備局・自治体など)により多少の違いはありますが、主に塗装年月・塗装系・塗装材料(下塗り/中塗り/上塗り)・塗料メーカー名・塗装施工会社名などが記されています。最低限記載しておかなければならない内容については、事業主体が発行する「仕様書」や「要領」などに書かれています。
事業主体の仕様書の原案となっているのが、国土交通省の「土木工事共通仕様書(案)」(※PDF)です。
▶参考資料
国土交通省「監督・検査・工事成績評定・土木工事共通仕様書関係」
(※別ウィンドウで開きます)
「土木工事共通仕様書(案)」(P3-44)によると、
受注者は、最終塗装の完了後、橋体起点側(左)または終点側(右)の外桁腹板に、ペイントまたは耐候性に優れたフィルム状の粘着シートにより図3-2-3のとおり記録しなければならない。
国土交通省「土木工事共通仕様書(案)」(P3-44)
とされています。

図3-2-3では、27×27cmの大きさで、塗装年月/塗装系(適用規格類)/塗装会社(下塗・中塗・上塗)/塗装材質(同)/上塗装色/塗料製造会社(同)―を記録するように、としています。